追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
「私はただの指示役よ」

「いや、ただの、じゃねぇだろ……」

そんなぼやきは風に消えた。

少し離れた場所で、レオンは最後の石を積み終えた。

汗を拭いながら立ち上がる。

「これで一区画は終わりか」

「まだ半分残ってるわ」

エレノアの声がすぐ返ってくる。

「休憩してる暇はないわよ」

「鬼だな」

「褒め言葉として受け取るわ」

「その返しは覚えがある」

レオンはわずかに笑う。

その時だった。

どこかで水の流れる音がした。

細くて拙いが、確かに新しい流れだった。

「……通ったか」

村人が息を呑む。

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