追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
エレノアは舌打ちしそうになって、踏みとどまった。

代わりに視線を逸らす。

「……もう片腕まで使えなくなっても知らないから。」

聞き取れるかどうかの小さな声。

レオンはそれを聞き逃さなかった。

少しだけ目を細める。

「ああ」

短い返事。

それ以上は言わない。

だが、その空気はもう昔のように重くはなかった。

村はまだ小さい。

やるべきことも山ほどある。

それでも確かに少しずつ、何かが変わり始めていた。

その夜。

家の中は静かだった。

暖炉の火は弱まり、薪が小さく爆ぜる音だけが響いている。

私は机に向かい、帳簿を広げていた。

「水路一区画修復完了」

「畑拡張予定の三割進行」

「保存食試作成功」

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