追放先で再会した初恋の男は、罪深い私を愛し続ける 〜断罪令嬢エリザベートの初恋回帰〜
第三章

義手

その日の帰り道、ベリルと出くわした。
平屋まであと数分という距離で、出くわしたというよりも待たれていたのかもしれない。

エリザベートは少し驚き足を止めた。
それは今日は顔を合わせることはないと予想していたから、というのもあったが、何よりもベリルが義手をつけていたからだ。

「――どこ行ってた?」
開口一番に尋ねられた言葉はいつもと変わらぬ声の調子だった。

「ロマとティアを村まで送っていたのよ。小さな子供二人だけだと心配だから」

答えるとベリルは怪訝な顔をして言う。

「あいつらこんな時間まで居たのか……」

どうやらベリルは双子と二つの約束していたらしい。

日が高いうちに帰ること、そして本を読んでもらえるのなら二冊までと。

絶対に約束を守るから二人だけでもエリザベートに会いに行きたいとごねたので行かせたらしい。

そんなことを知らないエリザベートは求められるがままに応じ、そして空の色が変わり始めたので食事をさせてから帰そうとすら考えていた。
結局夕食はボラフ亭でとると聞いたので二人を連れて行ったが、ベリルは裏切られたと言って眉をしかめた。

「あいつらの”絶対”は信用できねぇな」

「……あの子達はあなたと暮らしてるって言ってたけど、あなたの子供なの?」
「そんな風に見えるか?」

エリザベートが隣を歩くベリルに訊ねると口許だけ持ち上げて笑った。

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