追放先で再会した初恋の男は、罪深い私を愛し続ける 〜断罪令嬢エリザベートの初恋回帰〜

落ち葉と恋

それからベリルは毎朝同じ時間にエリザベートの元を訪れ、一刻ほど共に過ごすようになった。

正直なことを言えば、早く村に慣れて仕事を探したいところだったが、今は言われた通りに過ごすしかない。
物語でも観劇でも、こういう場合、勝手に動くことが危機に繋がる。
重要なのは自制心だ。

その点、エリザベートは待てる人間だったので、ベリルが言ったことは大人しく守っていた。

当面外出することが出来ないという点で、野菜や干し肉などの食料も支給されているので食事面での憂いはなかったが、出来ることをしようと、平屋の周りに畑を作ることを考えた。

幸い、平屋の近くには数本の樹木がある。
焦る必要がないため、まずは腐葉土作りから始めようと落ち葉を集めることを思いついていた。

そのため最近はもっぱら集めた落ち葉をちぎって細かくする作業に徹している。

「「きたよ、エリー!」」

高い声が元気に響き、ベリルがロマとティアを連れてきたのが分かった。
扉を開けると満面の笑みを浮かべた二人がエリザベートに抱き着いた。

「いらっしゃい。今日も来てくれたのね、嬉しいわ」

二人の身体を抱き止め笑うと、足元に影が落ちる。

「今日も来たぜ、ちぎり作業の専門家様が。悪いな、お前はのんびりやりたいんだろうが……」

二人の後ろから現れたベリルは気怠そうに言った。

数日前にベリルにくっついてやってきた二人は、エリザベートが葉っぱを集めてちぎるのを見てすっかり夢中になってしまったのだ。

それから連日のように一緒に行くといってきかないらしい。
ベリルもディート地区から出るわけではないので二人を預けることはせず、連れてきているらしいが、エリザベートを気にしているようだった。

「私はエリーのために頑張ってるんだよ!」
「そうだよ!ベリルは分かってないなぁ」

「あのな、エリーがやってんのは競ってやるもんじゃねぇんだよ。のんびりやりゃいいのにお前らは……」

「時間は金だって言ってたのベリルじゃん」
「そうだよ。時間を捨てるのは金を捨てたのと一緒だって、ねー」

双子は振り返りベリルを見上げては言い返す。
物おじせず言葉を交わす彼らのやり取りを見ていると、まるで本当の家族のようで微笑ましい。

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