結婚してもおひとり様を貫きますから~俺様御曹司は孤独な契約妻に愛されたい~
「本当に、単なる同僚なのか?」

「え?」

 決して非難するような口調ではないものの、なにを言いたいのかわからなくて困惑する。

 もしかして冬馬さんは、岡本君の存在を気にしている?
 昨日のやりとりで冬馬さんの潔白ははっきりしたけれど、私の方はどうなんだと。前に岡本君と話しているところに冬馬さんが出くわしたときも、なんだか様子が変だったし。

「お、岡本君とは、本当に単なる同僚ですから。部署が変わってからは、すれ違えば声をかけ合うくらいで。プライベートで会うとかは、いっさいなくて」

 焦って言いわけのようになってしまうが、彼とは本当にもなにもない。

「……変なことを聞いて悪かった。彼が、瑞希を庇ってくれたことも聞いている。それだけに、気になってしまったんだ」

 まさか、嫉妬だろうか。

 なんて都合のいい想像をしかけたが、そんなはずがないと慌てて否定する。周囲に私たちが偽りの夫婦であることを知られるのではと、危惧しているのだろう。

 わかっていることだけれど、契約の関係だと突きつけられるたびに胸がズキリと痛む。

「今日だが、少し付き合ってほしい。たまには一緒にドライブでもしないか?」

 思わぬ提案に、うつむきかけていた顔を上げる。

 週末は、私の趣味に付き合ってばかりだった。こうして冬馬さんの方から提案されることは初めてだ。

「いいですね。連れて行ってください」

 うれしさに笑みを浮かべると、彼は優しげに目を細めてうなずいた。

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