結婚してもおひとり様を貫きますから~俺様御曹司は孤独な契約妻に愛されたい~
「頼ってもらえているようで、うれしかった。それに、あれはダメだ。コンペは俺のためにがんばったとか、そんなことを言われて惚れないわけがないだろ」

 じわじわと頬が熱くなってくる。あれは勇気を出して伝えことだけれど、こうして指摘されると思った以上に大胆な発言だったかもしれない。

 わずかに体を離した冬馬さんが、至近距離から見つめてくる。
 顔はきっと真っ赤に染まっているだろう。恥ずかしくてたまらないが、今は目を逸らしたらダメだと思う。

「俺に釣り合うとかメリットだとか、そんなことは考えなくてもいい。瑞希が隣にいてくれるだけで十分だ」

 反論しようとすると、彼が視線で待てと訴えてくる。

「結婚してからも、瑞希は変わらず自分の足で立っているじゃないか。これまでと、なにも変わらない」

 たしかに、好き放題させてもらった自覚はある。

「だが辛くなったときには、俺を頼ればいい。瑞希にとって、俺はそういう存在になりたい」

「冬馬さん……」

「瑞希の両親が再び接触することはまずないと断言できるが、なにかがあれば俺が全力で守る。もし瑞希が自分の手で決着をつけたいのなら、俺も付き添う。気にしていたんだろ?」

 言い当てられてしまった。

 会長と冬馬さんが動いてくれたおかげで、両親からの接触は一度もない。
 それはありがたいけれど、自分がいっさい関わっていないせいか、言葉にできないような燻ったものが残っている。
 両親は、私の気持ちを理解しているのか。もう二度と、私に寄りかかろうとしないのか。他人任せではなくて、自分の手で片をつけたい。

「私、これまで自分がどう感じてきたのかあの人たちにちゃんと伝えておきたい」

「ああ。瑞希が納得できるよう、思った通りにすればいい。だが、ひとりにはしない」

 こんなに心強い存在があるだろうか。

「ありがとう」
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