結婚してもおひとり様を貫きますから~俺様御曹司は孤独な契約妻に愛されたい~
 デザートを食べ終えたところで、そういえばと首をかしげる。

 お互いの気持ちを知って、すっかり浮かれていた。彼の手にも、ワインの注がれたグラスがあることに今さら気づいた。

「冬馬さん、運転は?」

 申し訳ないと思いつつ、どうするのかと尋ねる。

「上に、部屋を取ってある」

 真剣な顔をする彼に、ドキリと鼓動が跳ねる。
 それはつまり……。

「一緒に夜を過ごしてくれないか」

 熱を帯びた視線を向けられて鼓動が騒ぎだす。顔がカッと熱くなり、テーブルの下で手を握りしめた。

 もちろん、どういうことかは理解している。それに、彼とベッドを共にするのは初めてじゃない。
 いろいろと考えてしまうけれど、それが羞恥心をごまかすための言い訳にすぎないとわかっている。
 自分はどうしたいのか。答えなんて、もうとっくに出ている。

「わ、私……も、冬馬さんと一緒に過ごしたい、です」

 立ち上がった冬馬さんが、私の隣に来る。差し伸べられた彼の手、自身の手をそっと重ねた。
 そのまま連れていかれたのは、上階に位置するスイートルーム。

 背後でパタリと扉の閉まる音が響く。同時に、冬馬さんに正面から抱きしめられていた。

「瑞希を一生大事にする」

 情熱的な言葉に、心が震えて熱いものが込み上げてくる。

 体を離し、至近距離から見つめられる。
 瞼を閉じるとすぐに、優しい口づけが降ってきた。

 唇をはまれ、開いた隙間から熱い舌が口内に差し込まれる。それから、まるでお互いの気持ち伝え合うように舌を深く絡ませ合った。

「んん……」

 髪に手を差し込まれ、腰を抱き寄せられる。体はこれ以上ないほど密着したというのに、それでもまだ近づきたくなる。
 激しい口づけに応えるよう、彼の背に腕を回してしがみついた。
< 141 / 145 >

この作品をシェア

pagetop