結婚してもおひとり様を貫きますから~俺様御曹司は孤独な契約妻に愛されたい~
「いやあ、今日は有意義な話ができた」

 常田社長の笑顔に、無事に終えられたと安堵する。

「ありがとうございます」

「進藤社長の若さ溢れる熱意に、がむしゃらだった頃を思い出したよ」

 冬馬さんに〝がむしゃら〟という言葉は合わない気がするけれど、彼が仕事に対ししてどれほどの熱意で向き合っているのかはよくわかった。

 なにを聞かれても、意地悪な質問をされても、冬馬さんは難なく返していた。それは付け焼刃で身に着くもじゃない。時間を惜しむようにして仕事をしてきた、彼の努力の結果なのだろう。素直にすごいと思うし、尊敬している。

「それじゃあ、一緒に仕事ができることを楽しみにしているよ」

 常田社長の乗るタクシーを見送ると、ようやく肩の荷が下りる。

 車が見えなくなったところで、冬馬さんに向き合った。

「今夜はありがとうございました。無事に終えられて、よかったです」

「ああ。帰るか」

 タイミングよくやってきたタクシーに乗り込み、ようやくひと息つく。

 結婚してから今日まで、冬馬さんの存在がこれほどまでたのもしく感じたのは初めてだった。


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