結婚してもおひとり様を貫きますから~俺様御曹司は孤独な契約妻に愛されたい~
 緊張が解れてきたところで、考える余裕が生まれる。

 とりあえず、冬馬さんが怒っていないことにはほっとした。
 パーティー自体は無難に挨拶ができていたと思うし、彼の既婚者アピールについては大成功だったはず。

 私が飲みすぎてさえいなければ……と、がくりと肩を落とす。

 浴室を出た所には、新品の服と化粧品一式、メイク道具までそろえられていた。これをすべて冬馬さんに用意させたなんて、自分が情けない。

 支度を終えて、リビングスペースへ向かう。急遽泊ることを決めたはずだが、もったいないくらいに豪華な部屋だ。重ね重ね、申し訳なくない。

 いつもはおひとり様ライフを満喫して、たまのご褒美にはしゃぐ私も、今日ばかりは浮かれた気持ちになれるはずがない。

 昨夜から今朝までのことについて、冬馬さんは「問題ない」と言ってくれるが、むしろ問題だらけだ。
 豪華な朝食を心から楽しめないまま、冬馬さんに連れられて帰宅の途に就いた。






< 66 / 145 >

この作品をシェア

pagetop