結婚してもおひとり様を貫きますから~俺様御曹司は孤独な契約妻に愛されたい~
重ねてお断りの意志を伝えようとしたところで、会長がすっと目を細めた。途端に緊張が高まり、さっきまでの明るい雰囲気は霧散する。
「ご両親の借金」
ギクリと肩が跳ねる。
途端に、結婚を拒否する勢いが削がれた。
「ここのこところ、君にまで催促の電話がかかってきているようだね。先日は、会社の前で取り立て屋が待ち伏せていた」
「どうして、それを……」
不安が大きく膨らみ、視線が揺れる。
なにを言われるのか。嫌な予感しかしなくて、鼓動がドクドクと激しく打ちつけてきた。
「悪いが、調べさせてもらった」
会長の顔から笑みが完全に消える。
口調は淡々とし、近寄りがたい雰囲気だ。この姿が、本来のものなのだろう。
「今後もこの近辺で問題を起こされては、うちとしても困るんだ。事が大きくなれば、会社に悪影響を及ぼしかねない」
数日前、会社を出たすぐの場所でふたり組みが待ち伏せていた。彼らは父が作った借金の取り立てに来たと言う。
どちらもスーツ姿ではあったものの着崩しており、近寄りがたい雰囲気だった。そのうちのひとりは、声が大きく口調も荒い。粗野な振る舞いが、怖くてたまらなかった。おそらく、注目を集めてしまっていただろう。
『今日は挨拶をしに来ただけだ』と言われ、その場はなんとか切り抜けられた。けれど続けて、『また来るからな』と言われてしまっている。
あんな人たちが繰り返し会社の周りをうろつけば、会長の言う通りグランドコスメどころか、進藤ホールディングス全体が風評被害を受けるかもしれない。
「君がすぐに解決ができないのなら……」
言葉を切った会長が、意味深な目で私を見る。
逃げ出してしまいたいのに、視線を逸らすことすらできそうにない。
「ご両親の借金」
ギクリと肩が跳ねる。
途端に、結婚を拒否する勢いが削がれた。
「ここのこところ、君にまで催促の電話がかかってきているようだね。先日は、会社の前で取り立て屋が待ち伏せていた」
「どうして、それを……」
不安が大きく膨らみ、視線が揺れる。
なにを言われるのか。嫌な予感しかしなくて、鼓動がドクドクと激しく打ちつけてきた。
「悪いが、調べさせてもらった」
会長の顔から笑みが完全に消える。
口調は淡々とし、近寄りがたい雰囲気だ。この姿が、本来のものなのだろう。
「今後もこの近辺で問題を起こされては、うちとしても困るんだ。事が大きくなれば、会社に悪影響を及ぼしかねない」
数日前、会社を出たすぐの場所でふたり組みが待ち伏せていた。彼らは父が作った借金の取り立てに来たと言う。
どちらもスーツ姿ではあったものの着崩しており、近寄りがたい雰囲気だった。そのうちのひとりは、声が大きく口調も荒い。粗野な振る舞いが、怖くてたまらなかった。おそらく、注目を集めてしまっていただろう。
『今日は挨拶をしに来ただけだ』と言われ、その場はなんとか切り抜けられた。けれど続けて、『また来るからな』と言われてしまっている。
あんな人たちが繰り返し会社の周りをうろつけば、会長の言う通りグランドコスメどころか、進藤ホールディングス全体が風評被害を受けるかもしれない。
「君がすぐに解決ができないのなら……」
言葉を切った会長が、意味深な目で私を見る。
逃げ出してしまいたいのに、視線を逸らすことすらできそうにない。