結婚してもおひとり様を貫きますから~俺様御曹司は孤独な契約妻に愛されたい~
 コンペの提出期限まで、あと一週間。あっという間に九月になっているが、まだまだ暑い日々が続いている。

 最近の私は、帰宅後に企画書づくりに没頭する日々を送っている。冬馬さんはそんな私を気遣い、あれこれと世話を焼いてくれる。そのさりげない心遣いが、リミットが近づいて焦っていた私には本当にありがたい。

 なにも返せない私に、冬馬さんは『瑞希が楽しそうに仕事をしているのならそれでいい』と言う。

 夕食を終えて、いつものようにダイニングでパソコンを広げる。

 最終的に、候補はふたつに絞った。
 時間の経過とともに変わる、肌質感に着目したファンデーション。化粧崩れを防ぐとうたったものはたくさん溢れているけれど、逆に崩れる要因を上手く利用できないかと考えてみた。

 化粧をした直後はふんわりとした印象になり、皮脂を吸着していくことでマットな質感に変化していく。
 昨年、〝皮脂を味方につける〟商品を開発しているが、そのノウハウを上手く使えないかと考えたものだ。

 もう一案は香に特化したもの。グランドコスメでは汗に反応して閉じ込めておいた香りのもとが開いていく商品が、制汗剤を中心にここ数年盛んに開発されている。化粧下地にその技術を応用して、汗に反応してリラックスできるような香りがふんわり広がるものをと考えてみた。

 でも、そもそも香料を使った化粧品は多く、同時に使用するほかのアイテムと合わない可能性もある。物珍しさから試してみたいとは思っても、続けて使いたいかと言えば違う気がした。

 そこで、ひとつ目の案でまとめることに決めた。
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