結婚してもおひとり様を貫きますから~俺様御曹司は孤独な契約妻に愛されたい~
「私も試してみたいです」

 外国のヘアケアブランドの中には、個人の状態を診断して、その人に合わせたシャンプーをその場で調合してくれるサービスもあるという。効能だけでなく香やボトルの種類も豊富で、自分だけのものができる特別感から爆発的な人気を誇っている。

 大賞を取った企画は、そういう方向性へ広がる可能性も秘めている。
 イベントに向けては、多様な肌状態に対応できるよう、既存の商品に加えて部分使いするような商品の開発に力を入れることになるという。

「ベストな一品も知りたいですけど、そうすると高価なものばかりを薦められそうで、利用を躊躇する人もいるかも。自分に合う複数の商品を教えてもらえると、予算に合わせて選べますね」

「なるほどな」

 自分のためのケア用品を選べると上手くアピールをすれば、関心を持つ女性は多いと思う。

 興味深い内容に、夢中になって語り合っていた。おかげでリラックスして食事を楽しむことができている。

「瑞希のことを、会長がさすがだと褒めていた」

 会長とは冬馬さんとの結婚を迫られて以来、直接顔を合わせてはいない。
 この結婚は、彼の望んだ通りになっているだろうか。私は見合うものを返せているのかと気になっていただけに、その言葉はうれしかった。

「よかった」

「俺も、瑞希と夫婦になれたことに感謝している」

 彼にとっても私の存在がプラスになっているのなら、この結婚は間違いじゃなかった。

 予定外だったのは、私が冬馬さんを好きになってしまったということだけ。
 照れくささと切なさが込み上げてくる。それを彼に悟らせないよう、残っていたシャンパンを飲み干すことでごまかした。
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