【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「そうだったんだ。実はね、琴乃さんから今までありがとうってメールが来て、その後連絡が取れなくなったの。私のアドレスも消されたんだと思う」
「ようやく色々わかってきた。いずれ戻ったら彼女に会って謝罪する。ゆっくり話をするつもりだ」
「着拒されたって言ってたじゃない。どうやって連絡するの?」
「いや、なんとしてでも探し出す。家も、勤め先もよく知ってる。いずれ会える」
連絡がとれなくなり、すぐに自宅へ手紙を送ったが、転居しているということがわかった。
どこかに転送されているようだが、住所はわからなかった。
携帯を変えられたようで、電話番号もわからなくなった。
彼女の拒絶の意思を見たようで本当にショックだった。
だが、僕は日奈が琴乃に直接連絡を取って彼女と会ったと聞いた時、日奈の言葉や周囲に惑わされて彼女が身を引いた可能性もあると思っていた。
彼女のお母さんのことは腫物を扱うように避けてきた。それが裏目に出た。
最初からきちんと向き合っていればよかったのだ。そうすればこうならずに済んだ。
僕は日本へ一時帰国する度に、彼女を探し続けた。
「琴乃、今どこにいるんだ……」
僕は琴乃の職場へ電話をした。すると、彼女は一年前に退職したという。また驚かされた。
僕は以前、琴乃の会社の親友を紹介してもらっていた。
名前も部署も聞いていたので、彼女を呼び出してもらった。
「藤堂さん、すみません。琴乃が退職してから連絡をしていないんです」
「突然別れを告げられてね。彼女は退職してから引っ越ししたのかな?手紙は転送されているんだが、返事が来ない」