【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
『あの、このあとは約束があるんです』
嘘だったが言うしかない。
『どこで?約束の時間まで僕と一緒にいようよ。ね?』
すると後ろから日本語が聞こえた。
「遅くなってごめん。日本料理店を予約してある。時間がないから行こう」
「え?」
「ほら、急いで……」
黒髪の背の高い男性だった。日本語だったし、おそらく日本人だろう。
ストライプの襟付きのシャツにジーンズという軽装だった。このツアーに参加していたのかもしれない。
彼の顔よりも、された目くばせに既視感があった。
私を助けてくれたんだとピンと来た。すぐに彼を見て微笑みながら答えた。
「はい、行きましょう」
彼は私の背中をそっと押してその場を離れた。
「あの……ありがとうございました」
「いや、君、ちょっと無防備だったからね。お役に立てて良かった」
外の通りに出てから、立ち止まると彼に向って頭を下げた。彼と顔を見合わせる。
「「……あ!」」
あの既視感は間違いなかった。
「君、もしかして……日本のスワンホテルでセミナーの時に会ったよね?」
本部長にセクハラされたとき助けてくれた人だった。
ホテルのロビーでは顔を正面から見てなかったので気づかなかったが、横顔に見覚えがある。
鼻筋が通ったイケメン。そして怜悧な一重の目。忘れもしない、あのときも今みたいに目くばせをして、私をその場から逃がしてくれた。
「そうです!あの時は助けて頂いて本当にありがとうございました。あの時の女性の上司の方はお元気ですか?よろしくお伝えください」
「は?女性の上司?」
嘘だったが言うしかない。
『どこで?約束の時間まで僕と一緒にいようよ。ね?』
すると後ろから日本語が聞こえた。
「遅くなってごめん。日本料理店を予約してある。時間がないから行こう」
「え?」
「ほら、急いで……」
黒髪の背の高い男性だった。日本語だったし、おそらく日本人だろう。
ストライプの襟付きのシャツにジーンズという軽装だった。このツアーに参加していたのかもしれない。
彼の顔よりも、された目くばせに既視感があった。
私を助けてくれたんだとピンと来た。すぐに彼を見て微笑みながら答えた。
「はい、行きましょう」
彼は私の背中をそっと押してその場を離れた。
「あの……ありがとうございました」
「いや、君、ちょっと無防備だったからね。お役に立てて良かった」
外の通りに出てから、立ち止まると彼に向って頭を下げた。彼と顔を見合わせる。
「「……あ!」」
あの既視感は間違いなかった。
「君、もしかして……日本のスワンホテルでセミナーの時に会ったよね?」
本部長にセクハラされたとき助けてくれた人だった。
ホテルのロビーでは顔を正面から見てなかったので気づかなかったが、横顔に見覚えがある。
鼻筋が通ったイケメン。そして怜悧な一重の目。忘れもしない、あのときも今みたいに目くばせをして、私をその場から逃がしてくれた。
「そうです!あの時は助けて頂いて本当にありがとうございました。あの時の女性の上司の方はお元気ですか?よろしくお伝えください」
「は?女性の上司?」