【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
 二人は仲良しで喧嘩をすることはあまりなかった。咲ちゃんは乃蒼におもちゃを貸してくれたりして、割と譲ってくれていた。本当の妹の様に接してくれていたからだ。

「また、何か乃蒼が我儘を言ったんですね。咲ちゃんを困らせましたか?すみません……」

「いや、そうじゃないんだ……」

 佐田君が言葉を濁した。

「乃蒼ちゃんが僕をパパと言ったんだ」

「え?!」

 乃蒼には、佐田君は咲ちゃんのパパだといつも説明してきた。

「まあ、案の定、咲が自分のパパだと言い始めて喧嘩になった」

「本当にすみません」

 私は立って謝った。

「謝らないで。しょうがないことなんだから……」

「でも……すみません、私がお二人に甘えすぎました。今後は……」

「落ち着いてくれ、蔵原……そんなことを言わせるつもりはなかったんだ」

 彩菜さんも頷いた。

「少し様子をみましょう。保育園の先生にも相談して、咲にも言い聞かせるつもりだから安心してほしいの。私もあなたに頼ってきたし、いずれ直面する問題なんだから焦らないで……」

「でも……」

「公園から帰って、食事しているころは一緒に遊んでいたから大丈夫よ。一応耳に入れておくべきだと思って話したの。あまり考えすぎないで」

「はい。すみません」

 そう言われても、考えずにはいられなかった。
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