【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「佐田君。話してなかったけど、私、例のモデル授業の英語講師になった」

「彩菜も声をかけられたらしい。でも俺が止めた」

「フフフ、そう言うと思った。彩菜さん、美人だからこれ以上有名になると不安なんでしょ?」

 佐田君は真っ赤になった。本当にわかりやすい。

「な、そういうんじゃない。あいつは元々人気講師だし、これ以上授業に入られると、色々と俺が大変になる」

「素直じゃないんだから……」

「なあ、蔵原……最近乃蒼ちゃんを咲と遊ばせないようにしているだろう。彩菜も言い過ぎたと反省している。たまにはうちに乃蒼ちゃんを連れて来いよ。咲も蔵原の家に行きたがってるんだ」

 授業が昼間になったこともあり、お互いに距離が出来た。昨日も乃蒼が咲ちゃんのうちに行くと騒いで泣いたが、買い物に連れ出してごまかした。

「ううん。今まで二人に甘えすぎた。咲ちゃんにとって、佐田君は自分だけのパパだよ。乃蒼にこのことをきちんとわからせないといずれ問題になる」

「乃蒼ちゃんはまだ小さいし、よくわかってない。それに彼女は何も悪くないだろう。我慢させたら可哀そうだ。俺が咲と区別して、乃蒼ちゃんとの接し方を変えるから心配するな」

 今は乃蒼にいくら佐田君をパパと呼ぶなと言っても、わからない。だが、このままではだめだ。

「乃蒼には……パパのことは我慢してもらわないといけないの」

「蔵原!」

「SNSの授業を引き受けたのも、本校以外でも仕事ができるようにするためよ。弟夫妻も子供が出来れば忙しくなるし、私が母の近くに行かざるを得ない。ここを離れることになってもいいように準備をする」

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