【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「相変わらずだなと思って……」

「何がです?」

「僕を見るその目だよ。目は口ほどにものを言いってね。琴乃、君は何も変わってないんだな。なんだか、急に元気になってきた」

「はい?」

 彼は私を落ち着いた大人のカフェに案内した。

「玲さん、このあたりのお店に詳しんですか?素敵なお店ですね」

「そんなわけがあるか。君の為に調べたんだよ」

「ええっ?」

 ウインクしてこちらを見る。相変わらずの衝撃。この人はどうしてこうなの?恥ずかしくて真っ赤になってしまった。

「可愛いな。僕に見せるそういうところ、依然とちっとも変わらない。それなのに……どうして他の男と結婚した?」

「それは……」

 玲さんの目が怖い。否定しないといけないのに、目を合わせることもできなかった。

「昨日の男は見たことがある。二週間くらい前、君と昼休みに車で出かけた男だろう?」

「……え?」

 驚いた。

「その日、予備校を探していた。偶然男と車に乗る君を見かけた。彼がだれであれ、僕は琴乃と再会してやり直すと決めていた。同僚か、交際相手かわからなかったが、ライバルの存在に闘志がわいたよ」

「玲さんこそ、今頃日奈さんとおつきあいしているんじゃないかと思っていました」

「何を言っているんだ!どうせ琴乃が別れを決めたのは日奈と会ったからだろう?僕は日奈を恨んだよ。イギリス勤務が長くなったのもあいつのせいだ。復縁なんてするわけがない」

「玲さん……」

「会いたかったんだ、琴乃。まさか、連絡を絶って転職して引っ越しまでするとは驚かされたよ。本当に探すのに苦労した。予備校のSNSに偶然里香が気づいて教えてくれたんだ」

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