【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
 何のために彼を拒絶したのか。彼の幸せのためだ。

「やめて。お願いやめて……私達は別れました」

「僕は了承したか?君は勝手にあのメールで僕を拒絶しただけだ」

「最初から母はあなたとのことを反対していた。ゴシップの件はきっかけでしかなかったんです。全部私が悪いの。最初からこうなるってわかってたんです」

「琴乃!どうして自分のせいにする?お母さんのことは解決できるよ」

「いいえ。あなたの奥さんになる人は日奈さんのような外国について行ける人じゃないとだめ。あなたに迷惑をかけたくなかった」

 逃げようとする私を彼はさらに強く抱いた。

「琴乃。君がいないと僕は生きられない。わかったんだ。僕は人生で初めて分別を失いかけた。一時期仕事も手につかなくなった。琴乃、君は僕を忘れることができたのか?」

「忘れました。あのときからふたりの道は分かれました」

「忘れたと言い張るなら、何度でも君に思い出させる。分かれた道は、また繋げばいい」

 驚いて彼の顔を見上げた。

「玲さん!」

 凄い目だった。

「さあ、保育園へ迎えにいこう」

 なぜか彼は意気揚々と保育園を目指した。

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