【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「ありがとう……琴乃……」

「いっしょにおにく、れいくん、おにくおいしいよ」

「一緒にお肉だー!」

 玲さんが言うと、乃蒼も同じことを繰り返し言う。

 乃蒼の右手は私、左手は玲さんに繋がれていた。

 * * *

 帰ってきてすぐにお風呂に入った乃蒼は、夕飯を食べると、公園で遊んだせいかうとうとしだした。

 玲さんの手を掴んだまま、あっという間に膝の上で寝てしまった。玲さんは乃蒼をベッドに運ぶと、彼女の頭を優しく撫でながら言った。

「琴乃、お母さんは乃蒼のこと可愛がってくれるのか?」

「ええ」

「未婚の母で許してくれたのか?」

「子供に罪はないって言ってました。そうだ、弦也も結婚してもうすぐパパになるんです。あの子、玲さんに電話でひどいことを言ったと後悔してました。すみませんでした」

「いいんだ……しょうがない。彼の立場なら僕も同じことを言ったかもしれない」

 リビングに戻ってきた彼に私は言った。

「玲さん。今日はありがとうございました。でも、今日を限りにしてください。今日だけなら乃蒼も忘れられます。これ以上は乃蒼が甘えてしまうので困ります」

「別に甘えさせればいい。今日公園で乃蒼と遊んで色々わかった」

「玲さん!」

「僕は何しろお友達だからね。乃蒼と少し内緒話をしたんだ。彼女は小さいけどママのことを思って色々と我慢している。僕は乃蒼を裏切れないな」

「私が玲さんを裏切ったから……嫌みですか?」

「そんな顔をするな。琴乃は色々まだ僕に隠してるだろう?全部話してくれるまで僕は諦めない。今度は乃蒼を連れてどこかに遊びに行こう。車に乗りたいと言っていた。」

「だめです!」

「琴乃……無理をするな。そんな顔はもうたくさんだ」

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