【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
 振り向くと、そこには息をきらした里奈さんがいた。

「琴乃さん!あのときは本当にごめんなさい」

 彼女は走ってくるなり、私の前に来て頭を深々と下げた。

「里奈さん頭をあげて下さい。謝ってもらうことは何もありません。日奈さんと会ったことを後悔したことはないし、それでわかったこともあったんです」

「でも、お兄ちゃんと別れたのは日奈さんと会ったせいでしょう?私、本当に後悔していたんです。まさか、お腹に赤ちゃんがいたなんて知らなくて……本当にごめんなさい」

「それもその時はわかっていなかったの。里奈さんのせいで別れたわけじゃないんです」

 大騒ぎに気づいた乃蒼は三輪車を降りて、私の所へ来た。

「まま?」

「っきゃあ、可愛い!乃蒼ちゃん、はじめまして」

 里奈さんはテンションが高い。乃蒼は驚いて私の後ろに隠れてしまった。玲さんが乃蒼の隣に座って教えた。

「乃蒼。この人はパパの妹で里奈と言うんだ。乃蒼のおばさんだよ」

 乃蒼はわからない言葉があると不思議そうにする。

「いもうと……おばさん?」

「乃蒼、妹は知ってるでしょう。ほらりゅうくんのしいちゃんよ?きょうだいって教えたよね」

「いもうと……きょうだい……」

 急に乃蒼の元気がなくなった。どうしたんだろう。

「乃蒼、どうしたの?」

「のあ、きょうだい、いない……ぱぱ、いいな……ままもげんちゃんいる……」

「乃蒼!」

「乃蒼、きょうだいがほしいのか?」

「うん!しいちゃんみたいな……ほしい」

 乃蒼が玲さんを見上げた。

「そうか、じゃあ乃蒼にもきょうだいを作るぞ。パパ頑張るからな」

「ぱぱ、がんばるの?のあもがんばる!」

「やだ、頑張るってお兄ちゃんったら……妹の前でやめてよ」

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