【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「ねえ、玲さん。私達があちらにいた頃、こんなに帰りが遅くなかったわよね。急に忙しくなったの?」
彼は私の手をポンポンと叩くと、スーツの上着を脱ぎだした。
「黙っていたけど、あの頃は上司に少し仕事を調整してもらっていたんだ。君を囲い込むことに専念したいと話して許可をもらっていた」
「ええー!?」
驚きすぎて、受け取った彼の上着を落としてしまった。
「昔、最初に君と会ったとき、セミナーにいた僕の女性の上司覚えてる?」
「ええ、もちろん。私にとっては恩人よ」
彼女に言われて、セクハラを訴える勇気が出た。あんな女性になりたいと思わせてくれた人。同じ女性としてとても尊敬している。
「彼女に言ったら喜ぶよ。日本に戻ってまた彼女の下にいるんだ。彼女は融通の利く人だからね。事情を話したらイギリスでの苦労も知っていて、ひと月の期限付きで仕事を調整してくれた。本当に助かった」
「ひと月?!それであんなにお母さんのことも根回しして最初から準備していたの?」
「まあね。まず乃蒼に懐いてもらわないと君は絶対僕の所へ来ないだろうし、やるべきタスクははっきりしてた。琴乃は甘く迫ると落ちる癖に、自分の幸せは全て後回し。僕もさすがに勢いだけじゃ無理だと悟ったからね」
「そんな……」
「君を手に入れるには、まず琴乃を取り巻く不安の根源を取り除いていくことが重要なんだ。それと、もうひとつある」
「え?」
「琴乃に自信を与えること」
「……」
「君は自己評価が低すぎる。自分のよさがちっともわかっていない。大体、僕を日奈に譲るとかありえない。外交官の妻としてふさわしいのは日奈ではなく琴乃、君だ」
彼は私の手をポンポンと叩くと、スーツの上着を脱ぎだした。
「黙っていたけど、あの頃は上司に少し仕事を調整してもらっていたんだ。君を囲い込むことに専念したいと話して許可をもらっていた」
「ええー!?」
驚きすぎて、受け取った彼の上着を落としてしまった。
「昔、最初に君と会ったとき、セミナーにいた僕の女性の上司覚えてる?」
「ええ、もちろん。私にとっては恩人よ」
彼女に言われて、セクハラを訴える勇気が出た。あんな女性になりたいと思わせてくれた人。同じ女性としてとても尊敬している。
「彼女に言ったら喜ぶよ。日本に戻ってまた彼女の下にいるんだ。彼女は融通の利く人だからね。事情を話したらイギリスでの苦労も知っていて、ひと月の期限付きで仕事を調整してくれた。本当に助かった」
「ひと月?!それであんなにお母さんのことも根回しして最初から準備していたの?」
「まあね。まず乃蒼に懐いてもらわないと君は絶対僕の所へ来ないだろうし、やるべきタスクははっきりしてた。琴乃は甘く迫ると落ちる癖に、自分の幸せは全て後回し。僕もさすがに勢いだけじゃ無理だと悟ったからね」
「そんな……」
「君を手に入れるには、まず琴乃を取り巻く不安の根源を取り除いていくことが重要なんだ。それと、もうひとつある」
「え?」
「琴乃に自信を与えること」
「……」
「君は自己評価が低すぎる。自分のよさがちっともわかっていない。大体、僕を日奈に譲るとかありえない。外交官の妻としてふさわしいのは日奈ではなく琴乃、君だ」