【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「君は僕の妻として一生僕の作ったものを身につけていてほしい。僕の独占欲の現れだと諦めてくれ。僕は君に対しては嫉妬深いと教えただろう?」

「そうね。学生相手に本気で嫉妬するなんて、ちょっと驚いた。佐田君は昔から彩菜さんのこととなると少しおかしかったけど、玲さんまでそうなるとは思っていなかったわ」

「男は本当に愛する女性のこととなると見境がなくなるのさ。佐田君も言っていたが、琴乃は無自覚で本当に心配。僕が目を光らせていないと、いつ狼の罠に落ちるかわかったものじゃない」

「罠なんて落ちないから!」

「僕が落とさないから安心して」

 くすくすと笑っている。

「さてと、行こうか。パーティーの下準備が出来るところを予約してある。僕もシンデレラに合わせて変身しないといけないからね」

 彼に連れてこられたセレクトショップでフォーマルのドレスを選んだ。

「琴乃には絶対これだ」

「ちょっと子供っぽくありませんか?私はこれがいいと思うんですけど……」

「これは胸が開きすぎだ。絶対却下」

「玲さんが選んだこんな大きなリボンのついたドレスだって却下します」

 ふたりで口をとがらしている私達を見て笑っていた店員は、口を開いた。

「藤堂様のスーツに合わせたらどうでしょう?この間おっしゃっていたものでよろしかったんですよね?」

「そうだね」

「それならそちらのお客様には同じ紺系で背中にレースの刺繍が入ったシースルーのロングドレスなんていかがでしょう?」

「……」

「胸元は背中ほど開いてないですが、お持ちになったネックレスはこのラウンドネックにぴったりです」

 店員はそのドレスを見せてくれた。とても大人っぽい雰囲気で上品だ。背中が少し心配だった。

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