【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「素敵だけど、私が着て大丈夫かしら」
「刺繍が入っているので、透けてすべてが完全に見えたりしません。とても素敵なんですよ。試しに一度試着なさったらいかがでしょうか?」
「そうだね。着てみたら?」
「こちらにどうぞ」
店員に促されて試着室へ入った。
「時間があまりございませんので、このドレスに合う小物を選んできます。お客様の様子をご確認くださいませ」
玲さんの声がする。
「琴乃どう?」
「後ろのホックが届かないの……店員さんを呼んでください」
すると、彼がカーテンの隙間からするりと入ってきた。鏡に彼が映っている。
「きゃあ、何してるんですか!」
「お客様、私がお手伝い致しましょう」
「ちょ、ちょっと玲さん……」
「静かに。動かないで、琴乃」
彼はホックを止めると、背中を抱いて後ろから鏡に映る私を見つめた。
「どうですか?」
「すごく綺麗だ」
背中を鏡に向ける。背中はほとんど見えない。刺繍が浮き上がって見えて、思ったより清楚でとても素敵だ。
「じゃあ、これにします」
返事がない。後ろを向いて彼に確認した。
「玲さん?」
「はー……」
「やっぱり大人っぽいから、似合わないですか?」
彼は両手で自分の顔を覆った。ぶつぶつと言い出した。
「この服、後ろから見ると色気が……。パーティー中は仕事もあるから、君にずっとついていられない可能性もあるんだ。こんなドレスを着せたら、絶対誰かに声をかけられる。心配でおちおち仕事もしていられない」
「玲さんったらまたはじまった。買いかぶりすぎです。日奈さんのような綺麗な女優さんがたくさんいらしているんなら、私なんて引き立て役です。皆さんの目はそちらへに釘付けになりますから安心して」
「刺繍が入っているので、透けてすべてが完全に見えたりしません。とても素敵なんですよ。試しに一度試着なさったらいかがでしょうか?」
「そうだね。着てみたら?」
「こちらにどうぞ」
店員に促されて試着室へ入った。
「時間があまりございませんので、このドレスに合う小物を選んできます。お客様の様子をご確認くださいませ」
玲さんの声がする。
「琴乃どう?」
「後ろのホックが届かないの……店員さんを呼んでください」
すると、彼がカーテンの隙間からするりと入ってきた。鏡に彼が映っている。
「きゃあ、何してるんですか!」
「お客様、私がお手伝い致しましょう」
「ちょ、ちょっと玲さん……」
「静かに。動かないで、琴乃」
彼はホックを止めると、背中を抱いて後ろから鏡に映る私を見つめた。
「どうですか?」
「すごく綺麗だ」
背中を鏡に向ける。背中はほとんど見えない。刺繍が浮き上がって見えて、思ったより清楚でとても素敵だ。
「じゃあ、これにします」
返事がない。後ろを向いて彼に確認した。
「玲さん?」
「はー……」
「やっぱり大人っぽいから、似合わないですか?」
彼は両手で自分の顔を覆った。ぶつぶつと言い出した。
「この服、後ろから見ると色気が……。パーティー中は仕事もあるから、君にずっとついていられない可能性もあるんだ。こんなドレスを着せたら、絶対誰かに声をかけられる。心配でおちおち仕事もしていられない」
「玲さんったらまたはじまった。買いかぶりすぎです。日奈さんのような綺麗な女優さんがたくさんいらしているんなら、私なんて引き立て役です。皆さんの目はそちらへに釘付けになりますから安心して」