【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「蔵原さん、あのときは言い過ぎたかもしれない。でも玲の周りは皆私を応援していたのは事実だし、悪気はなかったの。あなたに事実を教えてあげただけ。それに二人はもう復縁して結婚したんでしょ?いいじゃない」

「日奈。それが謝る態度か?」

 私は声が低くなった彼を止めた。

「玲さん、ちょっと……もうやめて」

「琴乃は優しすぎる。日奈、琴乃は君のこともほめてばかりなんだぞ。まったく性格が違いすぎる」

「玲は知らないかもしれないけど、あなたあのとき結構強気だったじゃない。玲を信じているの一点張りだったし、まさか自分から別れを切り出すとはね。私にチャンスが回ってきたと思ったら大間違いだった」

「当たり前だ」

 私は驚いて玲さんを見た。

「日奈がちょっかいをかけたせいで、琴乃は僕から身を引いた。あの時は本当に頭に来た。加減が効かなくて、日奈に相当冷たく当たった。自覚はある」

「怖いのなんの……それであなたのことはきれいさっぱり忘れられた。蔵原さん、あの時は正直な気持ちを伝えようとしただけなの。もし誤解させたならごめんなさい」

 驚いた。あのプライドの高い日奈さんが私に頭を下げていた。

「あのあと別れたのは私が彼に正直になれなかったからです。才色兼備で正直な日奈さんのほうが、私よりずっとお似合いな気がして身を引いたんです。それ以降、日奈さんとうまくいくといいなと思っていました」

「ちょっと……あなたって本当にいい子ね。今時信じられない」

「俺がフラれて必死だった理由もこれでわかっただろう」

「二度とあんな怖い玲は見たくない。実はね……まだ内緒だけど、私も結婚することになった」

「「え?!」」

 彼女は小さな声で言った。私達はそれなのに大きな声を出してしまった。

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