【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「君を褒められて嬉しい反面、複雑だったよ。彼らは君とまた話したいからこれからは夫婦で招待すると言うんだ」

「……玲さん……」

「僕の妻は魅力的なんだよ。わかった?卑下なんてしたら許さない」

「わかったから、お願い、もう我慢できないの……いますぐきて……」

 耐えられなかった。恥ずかしかったが口をついて出てしまった。玲さんは驚いたように顔を上げた。

「琴乃……君は……これだから本当に……」

 彼は私の欲しがるものをようやくくれた。反動で涙を流している私を見て、彼はその涙をぬぐった。

「ごめん。意地悪しすぎたな。さあ、欲しいだけ僕をあげよう。甘やかす約束だからね」

 * * *

「琴乃、実は話がある」

 彼は朝食をとりながら、話し出した。

「結婚式はお母さんの負担にならないよう、親族や最低限の友人を招いてこじんまりとやらないか?弦也君のところもまだお子さんは赤ちゃんだからね」

「うちはそのほうが助かるけど、玲さんの方は困るでしょう?お仕事の関係者の方をお招きしたほうがいいわよね」

 彼は仕事柄顔が広い。昨日のパーティーでそれがよくわかった。

「仕事関係は別で僕の親しいご家族を招いてガーデンパーティーでもしよう。外交官は赴任に際して家族ぐるみの付き合いになる。在日駐在員のご家族も知っているし、外交官の妻同士の交流もある。君の為にそうしたいんだ」

「玲さんのいいようにしてください。色々気を遣ってくれて本当にありがとう」

「それとハネムーンにイギリス周辺国を回らないか?実はあちらの友人や仕事関係者からお祝いをしたいからこないかと連絡が入ったんだ」

「私も実は留美ちゃんがお祝いの連絡をくれたわ。ご両親からも連絡があった。結婚式のことも聞かれたの」

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