【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「私が元カノだと知っていました?」

「彼からは聞いてませんでしたが、里香さんから教えてもらいました」

「玲は私の海外での活動や、文化親善大使としての役割を全うできるよう助けてくれています。玲は私をよく知っているから、とても気持ちよく仕事をさせてくれるの」

「受章おめでとうございます……」

「ありがとう。それも全て玲のお陰よ。彼の評判も上がったわ。学生時代に二人で夢見た通りになった」

「すごいですね……」

「今や、私達の復縁を、事務所の社長はもとより、外務省の彼の上司も後押ししてくれているの」

「そうですか。でも……」

 玲さんの気持ちは私にあると言ってくれた。彼女は私を見た。

「ひとつ、あなたにどうしても聞きたいことがあるの。あなたは玲に何ができる?失礼ながら、あなたは彼との将来を考えられる?」

「それは……」

「蔵原さんは彼と結婚したら、海外赴任へ同行できるの?」

「それは、まだわかりません……」

「私は彼と大学時代から同窓で、英語やフランス語、イタリア語も少しわかるの。あなたはどう?」

 日奈さんが、そんなに語学が堪能だとは知らなかった。

「私は英語なら少しわかりますが、他はわかりません」

「付き合っていた時、彼は外交官を目指し、私は国際派の女優を目指していた。お互い目標に到達したところなの」

 彼女の目力とその言葉の強さに言い返せなかった。

「少し耳にしたのだけど、ご家族が交際に反対なさっているのだとか……大丈夫なの?」

 その言葉に驚いた。

「どうして……御存じなんですか?」

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