【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「玲にあなたのご家族と将来のことを話したのかと聞いたら、あなたが交際さえ隠してると言うじゃない。驚いたわ。玲ほどの人を親に紹介できないなら、どんな人なら紹介できるの?信じられないわ」

「それは……」

「こんな記事が出てしまって、あなたの存在を知っているから一度お目にかかってお話するべきだと思ったの。でも、それだけではなく、私の気持ちもお伝えしておく方がいいと思ったんです」

「はい……」

「玲と将来を考えてつきあう気がないなら、すぐに彼のために別れてほしい」

「……」

「玲の為にも今後どうするかよく考えてほしいの。私なら彼を一生バックアップできる。ようやくもとに戻れるの」

「私は原口さんに比べたら何の価値もありません。でも彼を想う気持ちだけは本物です。あなたにも負けない。でもそれだけでは難しいのもわかっています」

 彼女は私の顔をじっと見た。

「そうだ。あとこれ、もしよかったら使ってください。私がCMをつとめている化粧品。あと色紙にサインも入れました」

 大きな箱一杯の有名化粧ブランドの化粧品だった。

「ありがとう……ございます……」

「里香ちゃんもこのブランドが好きで、お母様の分もこの間送ったばかりなの。あなたもよかったらまた言ってくれたら……」

「いえ、これで十分です……あの、私は忙しいので申し訳ございませんがそろそろ失礼します」

「そう?あ、このケーキも持って帰って」

 彼女のマネージャーが化粧品とケーキの箱をもってくれた。

 通りに出ると、マネージャーが言った。

「今日のことは決して口外しないでください。聞かれても全て否定してくださいね。よろしくお願いします」

「わかりました」

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