【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「これはどういうことですか?即刻掲載を止めて下さい。だめなら記事の内容を日奈に否定させてください」

「まあ、落ち着いて。あのね、記事は発表されているので、削除はもう間に合いません」

「それはどういうことですか!なぜ今頃連絡してくるんですか?」

「あなたは出張で先週もイタリアだと聞いてました。だから気を遣って連絡を控えました」

「……!」

「大丈夫ですよ。こちらではあなたのことはあまり表に出ていません。週刊誌側も相手が外務省だから控えてるんだと思いますよ」

「だからといって、事実でないことを書かれるのは困ります」

「週刊誌は少しでも煙が立ったら記事にするんですよ。読む方だって真偽を求めてない」

「そういう問題じゃないでしょう。こちらの意思を事前に確認しないでこんな記事を許すなんて、訴えることだってできるんですよ」

「訴えたら今はモザイクがかかっているあなたの顔もさらされますよ。まだ名前はイニシャルだけだ。自分から仕掛けないほうが無難だと思いますよ」

「……」

「それとね、こっちは否定なんてしません。何か言えばさらに追いかけられる。その方がいいんですか?だいたい、日奈のあなたへの気持ちは前からご存じだったでしょう?」

「僕は結婚前提の交際相手がいると、日奈は知っている。そちらの事務所の社長にもお伝えしていた。なぜ、いつまでも日奈は……」

「日奈に聞いたけど、結婚が決まっているどころか、お相手のご家族ともまだそんな話になっていないらしいですよね」

 驚いた。どういうことだ?!

「なぜそんなことまで君が……!関係ないだろう、こちらにはこちらの事情が……」

「ああ、すみません。ちょっと忙しいので切りますね。日奈には言っておきます」

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