【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「……わかりました。その日、仕事終わりに空港へ行きます」

「それと、その夜は僕と過ごしてもらえるかな?できれば一緒に泊まってほしいんだ。僕は翌日の午前の便でとんぼ返りなんだ」

「わかったわ。一緒に泊まります」

「本当に?いつもなら難しいと即答するのにお母さんのことは大丈夫なのか?」

「……」

「琴乃?」

「あ、ごめんなさい。大丈夫です。待ち合わせの時間と場所は決まってますか?」

「あとでメールするよ」

「はい」

 * * *

 その日、ホテルのロビーで待ち合わせをした。

「琴乃、ただいま」

 ロビーのソファに座っていた琴乃は、僕を見てびっくりしたように立ち上がった。

「え?玲さんなの?」

「そうだよ」

 僕はキャスケット帽にサングラス姿だ。カジュアルなシャツにジャケットを着ていた。

 一応、誰に見られるかわからないので変装とまではいかないが、前髪も下ろしてきた。

「いつもと全然違うから気がつかなかった。でもこの香りは玲さんね。おかえりなさい」

「琴乃、おいで」

 彼女の手を握ると、僕はロビーを横切ってエレベーターに向かった。

 エレベーターに入ると、やっと二人きりになれた。琴乃の身体をぎゅっと抱きしめた。彼女の柔らかい身体を抱いた瞬間、やっと戻ってきたと思った。

「玲さん……」

「会いたかった……」

 僕らは部屋に入ると、そのままお互いを求めた。

 いつもより積極的な琴乃に少し驚いた。

「愛してる、琴乃。僕には君だけだ」

「ああ、玲さん……あ……」

 彼女を抱いた瞬間あることに気づいた。

「琴乃、少し痩せたような気がする」

「それを言うなら玲さんだって少し痩せましたよ。面痩せしてます」

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