【改稿版】彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
 琴乃が僕の顔を手で囲んだ。僕は彼女の手を取ってキスをした。

「僕はあちこちに出張するから、時差もあって食事がどうしても不規則になりがちなんだ」

「私は……今日久しぶりに玲さんと会うことになって、綺麗になりたくてダイエットしました」

 絶対嘘だと思った。前から太ってなどいない。

「はー、琴乃。本当のことを言ってほしい。そのために無理やり帰国したんだ」

「玲さん……」

「琴乃は何でも自分で抱えて我慢する。今回のことだってどれほどの衝撃だったのか、僕を叩いて責めてくれてもいいのに、物分かりが良すぎて僕は心配なんだ」

「玲さんが悪いわけじゃないでしょう。日奈さんとおつきあいしていたのだって、過去のことだと言っていたし……」

「ああ、琴乃……」

 僕は彼女をぎゅっと抱きしめた。

「お願いだ、全部吐き出してほしい。本当に心配かけてすまなかった。日奈には強く抗議しておいたからもう大丈夫だ。これ以上マスコミをあおるようなことをしたら、縁を切るとはっきり言った」

「……玲さん!」

「僕には琴乃しかいない。日奈や周りが何を言おうと、復縁する気は全くないから安心してほしい。何か心配があるなら口にしてほしいんだ」

「でも……日奈さんとはお仕事で繋がりがあるんですよね?」

「今まではね。でもそれももう必要ない。彼女は有名になったので、あとは自力でなんとでもできるはずだ」

「玲さんったら、お仕事なんだからお断りできないでしょ?」

「ゴシップも出たし、どうしてもやらないといけないことは同僚に代わってもらうつもりでいる」

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