雨の降る日はジャズバーへ ――Cats that gather at night――
「カランカラン」心地の良いベルの音色が鳴り響く。
音楽の正体は、クール・ジャズだった。
目の前には、下り階段があるため、位置が高く全体を見下ろせた。建物は縦長で、左側はカウンターになっている。バーテンダーと、奥に怖そうな人が居た。
右側の手前にはテーブル席がある。右奥にはステージと鑑賞する為の椅子が並んでいた。
人通りが少なそうな場所なのに、お客さんでいっぱいで、年齢層もバラバラに見える。
視線を感じて下を向くと、階段の降りた先に白い猫がこちらをジッと見ている。目が合うとテーブル席の方へ、そっぽを向いて歩いて行ってしまった。
「あら~。ここに来たのは初めて」カウンターでお酒を提供している人が話し掛けた。
声を掛けられて狼狽えていると、レンが近づいてくる。
「ママ。俺が呼んだお客さんだよ。美琴さん来てくれてありがとう」少し早歩きで近づき「雨の中来てくれてありがとうね。ここに傘立てあるから置いてね」
傘を置くと、私の手を引っ張りカウンターの席に座らせて、レンは正面に移動した。
「美琴さん。んっ……(咳き込む)お客さん。本日は、何をお飲みになりますか」
心地良いオレンジ色の照明は、白いワイシャツ姿のレンを照らす。お酒を選ぶことも忘れて見惚れていると、レンは優しく微笑んだ。
「ヴァイオレット・フィズを作りますね。今夜は長く楽しんで欲しいので、ジンを入れずに作ります」と慣れた手つきで準備を始める。
音楽の正体は、クール・ジャズだった。
目の前には、下り階段があるため、位置が高く全体を見下ろせた。建物は縦長で、左側はカウンターになっている。バーテンダーと、奥に怖そうな人が居た。
右側の手前にはテーブル席がある。右奥にはステージと鑑賞する為の椅子が並んでいた。
人通りが少なそうな場所なのに、お客さんでいっぱいで、年齢層もバラバラに見える。
視線を感じて下を向くと、階段の降りた先に白い猫がこちらをジッと見ている。目が合うとテーブル席の方へ、そっぽを向いて歩いて行ってしまった。
「あら~。ここに来たのは初めて」カウンターでお酒を提供している人が話し掛けた。
声を掛けられて狼狽えていると、レンが近づいてくる。
「ママ。俺が呼んだお客さんだよ。美琴さん来てくれてありがとう」少し早歩きで近づき「雨の中来てくれてありがとうね。ここに傘立てあるから置いてね」
傘を置くと、私の手を引っ張りカウンターの席に座らせて、レンは正面に移動した。
「美琴さん。んっ……(咳き込む)お客さん。本日は、何をお飲みになりますか」
心地良いオレンジ色の照明は、白いワイシャツ姿のレンを照らす。お酒を選ぶことも忘れて見惚れていると、レンは優しく微笑んだ。
「ヴァイオレット・フィズを作りますね。今夜は長く楽しんで欲しいので、ジンを入れずに作ります」と慣れた手つきで準備を始める。