雨の降る日はジャズバーへ ――Cats that gather at night――
りょうこにも同じお酒を作って貰い、二人でご飯のメニューを選んでる最中、強詩(つよし)さんが皿を持ってきた。

「これ、レンに頼まれたからどうぞ。カプレーゼとタルティーヌです。ベリーニは塩気や酸味のある食べ物が美味しいから良かったら」

 カプレーゼの見た目は、トマトは綺麗にスライスされていて、ふんわりしたモッツァレラチーズが交互に円を描くように並べられていた。その上からバジルが丁寧に飾られて、味を整える為の塩胡椒が均等にかかっている。グルッと一回し円を描いて、エキストラバージンオリーブオイルがかけられていて、見栄えがとても美しい。

 タルティーヌはトーストされたバゲットに、アボカドのペーストがたっぷり塗られて、上に美味しそうな生ハムが飾られていた。

「うわぁー! 美味しそう!! 早く食べよう美琴姉ちゃん!」

 ルンルンで皿を持って、ステージから一番遠い端の席に向かう最中、常連のおじさんに声を掛けられた。

「お! 良いなそれ……俺も食べよう」

「美味しそうですよね。今から二人で食べるので楽しみです」

「俺も頼んでこようかなぁ。でも、最近はお酒じゃなくてご飯食べに来てる気がするよ。本当美味しいよね! 噂では有名なシェフがいるとか聞くけど、噂が出るぐらい本当に美味しい。値段が安いからぶくぶく太っちゃうよ」

「りょうこもいっぱい食べるから、最近ヤバいけど……それでも食べるのが止まらないよう」と笑い合った。

「美琴姉ちゃんは痩せてるけど、何かしてるの?」

「私は健康メニューって書いてるのを選ぶことが多いから、多分……それかも?」

「俺は唐揚げだったり、脂っこいものが好物だから健康メニューとは無縁だな」

「りょうこもだよ」


 話が盛り上がって席に着いたのは、それから五分経った頃だった。
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