雨の降る日はジャズバーへ ――Cats that gather at night――
あれから週の半分が経過した。
 まだ太陽がしっかり出ていて、外は夜に来るときとは違う賑わいをしていた頃、普段の入り口と違う従業員専用の扉を開く。

「美琴ちゃん今日からよろしくー」
 扉を開けた先でママが出迎えてくれた。
 目の前はちょっとした部屋になっていて、椅子に座り仕事内容を聞く。

「そんなに緊張しなくて良いからね。リラックスリラックス」
 笑顔で大丈夫よーと言われながら、肩を優しくゆっくりと撫でてくれた。
 私は次第に緊張が解けて話が始まる。

「美琴ちゃん仕事始めたばかりで緊張しちゃうかもだから、働く日は仲が良かったり話した事ある人が多いから何でも聞いて良いからね」

「ありがとうございます」

「仕事内容を話すわね。美琴ちゃんには、テーブルの掃除だったり皿洗いをやって欲しいの。詳細の内容は柚葉が教えてくれるから目の前の扉に入ってごらん。入った先はいつもの場所だから」

 扉を開けるとカウンターの中に繋がっていて、視線を左に向けると柚葉さんがいた。
「美琴さん今日からよろしく」

 軽く談笑した後に案内をしてくれた。
 ホールの仕事は、使い終えた拭いてないテーブルを綺麗にしたり、忘れている皿を回収することだった。この店ではお客さんが自らすることだから、ホールの仕事は忙しくないよと寄り添うに伝えてくれた。

 キッチンの仕事は皿洗い。
 道具以外の物を洗うようにと指導された。キッチンで作業している人が、洗い物が出来ないときに呼ばれて手伝い、終えるとホールの仕事に戻る。

 店が始まるとお客さんが入ってきた。挨拶を交わしたり、言われた仕事を次々とこなして行く。慣れないことで不安はあったけど、皆がサポートをしてくれて何とかやりきった。
 
 仕事は楽しくてやりがいを感じた。何よりレンのライブを遠くから見る事が許可されたのがとても嬉しかった。


 それから私のCats that gather at nightでの仕事日々が始まって行く。
 最初は少し緊張していた接客も、今では冗談を言えるくらいの余裕が出来た――ママみたいな会話は出来ないけど、いずれは出来ると良いな。

 好きな場所で仕事をすると、あっという間に時間が過ぎていく、気付けば今週最後の日曜日になった。だがこの日、突然問題が起きる。
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