あなたの××××に触れたい
「綿谷さんはペット飼っていますか?」
「うちのマンション、ペット禁止なんです。だから喜多川さんがうらやましいです」
「そうですか」
「はい。私、犬と猫が好きで、その中でもとくに大型犬が好きなんです」
「えっ、どうしてですか?」

迫力のある大きな体と、鋭い目つきをしている大型犬を怖いと感じる人は多く、私のようなタイプは珍しいのかもしれない。

「たぶん、自分がチビだからだと思います」
「自分とは正反対なタイプに魅力的に感じる、みたいな?」
「はい。そうです。あっ、すみません。自分のことばかりペラペラとしゃべってしまって……」
「いいえ。綿谷さんの気持ちわかりますよ。俺も小柄な人を見るとかわいいなって思いますから」

『チビ』という自虐的な言葉を『小柄』とフォローしたうえで、私の気持ちに共感してくれる気遣いがうれしい。

「喜多川さんって、身長はどのくらいですか?」
「百八十三センチです」
「大きいですね」
「よく言われます」

私より三十センチも背が高い事実に驚き、運転席に座る喜多川さんの姿をじっと見つめる。
今日の彼の服装は、半袖の白のTシャツにブルージーンズのシンプルスタイル。
背が高くて手足が長く一見すると細身に見えるけれど、胸板は厚みがあり、ハンドルを握る手は大きく、二の腕にはほどよく筋肉がついているのがわかる。
女性の私にはない男性特有のパーツが気になるなんて少し恥ずかしいけれど、喜多川さんから目を逸らすことができない。

「綿谷さんは身長、どれくらいですか?」
「百五十三センチです」
「小さいですね」
「よく言われます」

サロンで何度も顔を合わせていても、プライベートに関する話をするのは初めて。
気さくな喜多川さんとの会話を楽しんでいると、あっという間にドッグランに到着した。
喜多川さんはバッグドアを開けてレオくんを車から降ろすと、すぐに水を飲ませる。
レオくんは、到着するまで一度も吠えたり暴れたりしなかった。きっとドライブが好きなのだろう。
彼はやや高いトーンで「えらかったな。いい子だ」とレオくんの体を優しくなでて、大人しく車に乗っていたレオくんを褒めた。

「お腹空きましたね」
「はい。ペコペコです」
「俺もペコペコですよ」

ドッグランだけでなく、ドッグカフェを利用するのも初めて。
テンションが上がるなか、カフェに入り案内されたテラス席に座る。
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