ピンチの時にさっそうと現れたヒーローは、見た目以外は高スペック男子でした。
「……この顔が、気味悪くないのか?」
思わずこぼれた言葉に、アメリアがパチパチと目を瞬いた。
] 思いがけない事を聞いたと言わんばかりの顔に、ウィズは唇を引き結ぶ。
あまりにまっすぐに自分を見つめる瞳に、考える前に言葉が出ていたのだ。
「いや、馬鹿な事を聞いたわすれ「ウィズは意外と馬鹿なのね」」
考えなしに出してしまったおのれの言葉を恥じて打ち消そうとしたウィズに、アメリアがキッパリと言葉をかぶせてきた。
思ってもみなかった暴言に、今度はウィズが目を見開くことになる。
そんなウィズに、アメリアはまるで聞き分けのない子供に言って聞かせるような顔で口を開いた。
「確かに、私たちは出会ったばかりだけど、あなたの為人は分かったつもりよ。あなたは命の恩人で、自分で考え、動くことのできる立派な人だわ。確かに容姿は個性的だけど、私にとっては大した問題じゃないわ。だって、きちんと言葉で交流できるし、むしろ紳士的だと思うけど?」
あまりにもあっさりと、アメリアはウィズという存在を肯定していく。
他大陸に飛ばされてからの短くない年月を経て、排除されることに慣れ切ってしまっていたウィズにとっては、あまりにも思いがけない言葉の数々にいつの間にか圧倒されていた。
「個性……なのか?」
顔を見ただけで悲鳴をあげられ、石を投げられた。
理不尽に非難され、ただ水を乞う事すらも許されなかった。
助けるために伸ばした手を、はねつけられたこともある。
脳裏をよぎる数々の光景に、ウィズは唇をかむ。
傷つかないはずはない。
本当は、何度も泣いて叫びそうになった。
それでも、騎士として培った精神が高潔であれと叫ぶのだ。
ここで折れてしまえば、相手の思うつぼだと。
こんなハンデなど大したことないのだと笑い飛ばして見せろ、と。
「そうね。一度会ったら忘れられないから、すぐに覚えてもらえていいんじゃない?」
あっさりと頷くと、アメリアは、振り向いていた体勢に疲れたのか前を向いてしまった。
「それでも、ウィズが気になるなら、仮面でもつけたらいいんじゃない?フードだと、昨日みたいに外れちゃうかもしれないし」
そのうえで、気になるなら隠してしまえと軽い口調で言ってのけるアメリアに、ウィズは何とも言えない気持ちで口をつぐむ。
泣きたいような、笑いだしたいような変な気持ちだった。
ただ、確かに心のどこかが軽くなった気がした。
だから、緩んでもいない手綱を持つ手に力を籠め、ウィズはポツリとつぶやいた。
「……仮面は、別方向で変じゃないか?」
「そう?人に見せられないひどい火傷があるとでも言っておけば、意外と受け入れられそうじゃない?」
それすらもあっさりと返すアメリアは、木立の中に見つけた珍しい色の鳥を追うのに夢中で、もう振り返りもしない。
だから、フードの奥で浮かんだ不格好な微笑みを見るものは誰もいなかった。
思わずこぼれた言葉に、アメリアがパチパチと目を瞬いた。
] 思いがけない事を聞いたと言わんばかりの顔に、ウィズは唇を引き結ぶ。
あまりにまっすぐに自分を見つめる瞳に、考える前に言葉が出ていたのだ。
「いや、馬鹿な事を聞いたわすれ「ウィズは意外と馬鹿なのね」」
考えなしに出してしまったおのれの言葉を恥じて打ち消そうとしたウィズに、アメリアがキッパリと言葉をかぶせてきた。
思ってもみなかった暴言に、今度はウィズが目を見開くことになる。
そんなウィズに、アメリアはまるで聞き分けのない子供に言って聞かせるような顔で口を開いた。
「確かに、私たちは出会ったばかりだけど、あなたの為人は分かったつもりよ。あなたは命の恩人で、自分で考え、動くことのできる立派な人だわ。確かに容姿は個性的だけど、私にとっては大した問題じゃないわ。だって、きちんと言葉で交流できるし、むしろ紳士的だと思うけど?」
あまりにもあっさりと、アメリアはウィズという存在を肯定していく。
他大陸に飛ばされてからの短くない年月を経て、排除されることに慣れ切ってしまっていたウィズにとっては、あまりにも思いがけない言葉の数々にいつの間にか圧倒されていた。
「個性……なのか?」
顔を見ただけで悲鳴をあげられ、石を投げられた。
理不尽に非難され、ただ水を乞う事すらも許されなかった。
助けるために伸ばした手を、はねつけられたこともある。
脳裏をよぎる数々の光景に、ウィズは唇をかむ。
傷つかないはずはない。
本当は、何度も泣いて叫びそうになった。
それでも、騎士として培った精神が高潔であれと叫ぶのだ。
ここで折れてしまえば、相手の思うつぼだと。
こんなハンデなど大したことないのだと笑い飛ばして見せろ、と。
「そうね。一度会ったら忘れられないから、すぐに覚えてもらえていいんじゃない?」
あっさりと頷くと、アメリアは、振り向いていた体勢に疲れたのか前を向いてしまった。
「それでも、ウィズが気になるなら、仮面でもつけたらいいんじゃない?フードだと、昨日みたいに外れちゃうかもしれないし」
そのうえで、気になるなら隠してしまえと軽い口調で言ってのけるアメリアに、ウィズは何とも言えない気持ちで口をつぐむ。
泣きたいような、笑いだしたいような変な気持ちだった。
ただ、確かに心のどこかが軽くなった気がした。
だから、緩んでもいない手綱を持つ手に力を籠め、ウィズはポツリとつぶやいた。
「……仮面は、別方向で変じゃないか?」
「そう?人に見せられないひどい火傷があるとでも言っておけば、意外と受け入れられそうじゃない?」
それすらもあっさりと返すアメリアは、木立の中に見つけた珍しい色の鳥を追うのに夢中で、もう振り返りもしない。
だから、フードの奥で浮かんだ不格好な微笑みを見るものは誰もいなかった。