ピンチの時にさっそうと現れたヒーローは、見た目以外は高スペック男子でした。

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「そもそも神聖シシュー国に向かう羽目になったのは、妹が準成人の儀で光魔法の適性を得たからなのよ」

 昼前には森を抜ける事が出来、一行は徐々に広くなる道を進んでいた。
 相変わらずウィズの前を陣取るアメリアは、さすがに人目と日差しを避けるためフードを深くかぶっていた。

 フードをかぶった二人乗りはやや珍しいものの、魔術師にはよくある姿の為、それほど悪目立ちしているほどでもない。
 もっとも、いかにも貴族の一行の中、ウィズだけがボロボロの旅装のままでは目立つため、体格の似ているランバードから予備の服などを借り受けてはいたのだが。
 清浄の魔術で汚れは落とせても、衣類のほころびや装備の傷までは綺麗にできないのだ。

「光魔法は珍しいから教える事ができる人は限られているのよ。隣国の神聖シシュー国には専門の教育機関があるし、友好国でもあるから、お世話になることになったの」
 そもそもの旅の目的を、アメリアは暇つぶしもかねてウィズに話していた。

「確かに、光魔法を磨くならシシュー国に行くのが早道だと言われているな」
 光魔法は治癒や浄化に特化した魔術で、訓練で使えるようになる事もある他属性に比べて、先天的に適性がある人間しか使えない希少な魔術だ。

 光魔法を極めると身体欠損を治したり、致命傷すらも回復すると言われている。
 もっとも、修練法は独特で、そのノウハウを持っているのはシシュー国のみと言われていた。

「でもナターシャはすごい人見知りで、一人で知らない国に行くのは無理だって泣いていやがったの。それで、姉の私が巻き込まれたってわけ」
 肩を竦めて見せてから、アメリアは笑い出した。

「まぁ、他の国に行ける機会なんてそうそうないから、感謝してるくらいなんだけどね」
 くすくすと笑いながら、内緒話のように声を潜めるアメリアにウィズも苦笑する。

 好奇心旺盛で度胸もあるアメリアが、未知の体験にワクワクするのは、まだ短い付き合いのウィズでも十分に理解できていた。
 産まれてきたときからアメリアを見てきた周囲の人々がその事を分かっていないはずもなく、きっと今回の留学はアメリアの為でもあるはずだった。

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