ピンチの時にさっそうと現れたヒーローは、見た目以外は高スペック男子でした。
「これ、うちの魔術師たちに見られたら大騒ぎになりそう」
意識して眺めると、確かに内側で回る自分の魔力のほかに、表面を覆う青い魔力も同じ方向にゆっくりと流れているのが分かる。
今まで、アメリアが教わっていた魔力操作は、石のように固めて形作る方法だった。
ウィズの教えてくれるやり方は、今までの概念を覆すことになる。
「魔力は体内を流れているのだから、外に顕現したところで動かし続ける事は可能だろう?むしろそれまで動き続けていた力を、突然一定の形に押し固める方が不自然だ」
何を驚いているのか分からないというように首を傾げるウィズをアメリアは振り返る。
「ウィズの国ではそれが一般的な考え方だったの?」
「さて?うちは剣士の家系でな。魔術に関しては門外だったから教えを乞う先もなくて、ほとんど書物と独学だからよく分からん。後は、実践で使っていたら今のようになった」
微かに眉間にしわを寄せて答えるウィズは、容姿ゆえに、悪鬼さながらだった。
昔を思い出しているゆえの表情でしかなかったのだが、知らない人間が見たら、なんの悪だくみをしているのだろうと悲鳴をあげていただろう。
しかし、アメリアはそんな表情には頓着せず、ただひたすらになぜアメリアが驚いているのかが分からないと困惑の色を浮かべる瞳を見つめ、一つため息を落とした。
「ウィズが容姿だけでなく、能力も規格外だってことがよく分かったわ。まぁ、それくらいじゃなきゃ、たった一人で未知の土地に飛ばされて、生き残るなんてできなかったんだろうけど」
「そんなに非常識な方法か?」
「少なくとも、私は初めて聞いたわね。後で他の人たちにも聞いてみましょう」
困惑顔のウィズに、アメリアは顕現させていた魔力を体内に戻しながら答えた。
アメリアの魔力の動きを敏感に察知したのか、それに合わせるようにスルッと青い魔力も消えていった。
(そもそもこんな自然に自分の体から離れたところに魔力を顕現させて自由に操るってのも異常なんだけど、きっと言っても無駄よね)
こっそりと思いながら、なんだか悔しくなったアメリアは背後にあるウィズの体に勢いよく倒れこんだ。
「なんだか、学校に行くよりあなたに教えてもらった方が、はかどるんじゃないかと思えてきたわ」
結構な勢いで倒れこんだというのにびくともしない体にさらなるいら立ちを感じながら、アメリアはそのままの体勢で上を見上げる。
フードの奥の瞳は相変わらず深い困惑に彩られていた。
その後の休憩で護衛の魔術師たちに同じことを披露した結果、出発時間をずらさなければならないほどみんながヒートアップし、ウィズも自分が常識外れの事をやらかしていたことを認めるしかなくなった。
剣術だけでなく魔術の腕も一流だった事が発覚し、旅の間アメリアどころかほかの魔術師たちにまで魔力の扱い方を教えたり、ランバードをはじめとした騎士たちとも手合わせをしたりと非常ににぎやかな旅路になるのだった。
意識して眺めると、確かに内側で回る自分の魔力のほかに、表面を覆う青い魔力も同じ方向にゆっくりと流れているのが分かる。
今まで、アメリアが教わっていた魔力操作は、石のように固めて形作る方法だった。
ウィズの教えてくれるやり方は、今までの概念を覆すことになる。
「魔力は体内を流れているのだから、外に顕現したところで動かし続ける事は可能だろう?むしろそれまで動き続けていた力を、突然一定の形に押し固める方が不自然だ」
何を驚いているのか分からないというように首を傾げるウィズをアメリアは振り返る。
「ウィズの国ではそれが一般的な考え方だったの?」
「さて?うちは剣士の家系でな。魔術に関しては門外だったから教えを乞う先もなくて、ほとんど書物と独学だからよく分からん。後は、実践で使っていたら今のようになった」
微かに眉間にしわを寄せて答えるウィズは、容姿ゆえに、悪鬼さながらだった。
昔を思い出しているゆえの表情でしかなかったのだが、知らない人間が見たら、なんの悪だくみをしているのだろうと悲鳴をあげていただろう。
しかし、アメリアはそんな表情には頓着せず、ただひたすらになぜアメリアが驚いているのかが分からないと困惑の色を浮かべる瞳を見つめ、一つため息を落とした。
「ウィズが容姿だけでなく、能力も規格外だってことがよく分かったわ。まぁ、それくらいじゃなきゃ、たった一人で未知の土地に飛ばされて、生き残るなんてできなかったんだろうけど」
「そんなに非常識な方法か?」
「少なくとも、私は初めて聞いたわね。後で他の人たちにも聞いてみましょう」
困惑顔のウィズに、アメリアは顕現させていた魔力を体内に戻しながら答えた。
アメリアの魔力の動きを敏感に察知したのか、それに合わせるようにスルッと青い魔力も消えていった。
(そもそもこんな自然に自分の体から離れたところに魔力を顕現させて自由に操るってのも異常なんだけど、きっと言っても無駄よね)
こっそりと思いながら、なんだか悔しくなったアメリアは背後にあるウィズの体に勢いよく倒れこんだ。
「なんだか、学校に行くよりあなたに教えてもらった方が、はかどるんじゃないかと思えてきたわ」
結構な勢いで倒れこんだというのにびくともしない体にさらなるいら立ちを感じながら、アメリアはそのままの体勢で上を見上げる。
フードの奥の瞳は相変わらず深い困惑に彩られていた。
その後の休憩で護衛の魔術師たちに同じことを披露した結果、出発時間をずらさなければならないほどみんながヒートアップし、ウィズも自分が常識外れの事をやらかしていたことを認めるしかなくなった。
剣術だけでなく魔術の腕も一流だった事が発覚し、旅の間アメリアどころかほかの魔術師たちにまで魔力の扱い方を教えたり、ランバードをはじめとした騎士たちとも手合わせをしたりと非常ににぎやかな旅路になるのだった。