ピンチの時にさっそうと現れたヒーローは、見た目以外は高スペック男子でした。
5
「ねぇ、ウィズは急いで国元に帰らないといけないの?」
その後旅は順調に続き、シシュー国に用意されていた屋敷に無事辿り着いた一行は、門前で立ち尽くしていた。
元々、ウィズの同行はシシュー国につくまでの予定だった。
それを、口約束だったのをいいことにアメリアがずるずると今まで引き延ばしてきたのだ。
しかし、安全な屋敷についてしまえば、それ以上引き延ばすのは難しかった。
しかし、短い旅の中ですっかりウィズを気に入ってしまったアメリアは、別れの気配にしょんぼりと肩を落としていたのだ。
「いや……。一応、失踪したことになっているだろうからケジメとして戻ろうとしていたけれど、おそらく家に帰ったとて俺の居場所はもうないと思う」
馬から降り立ったままの姿で、ウィズは静かに答える。
その顔には、目の部分だけが開いたシンプルな仮面がつけられていた。
アメリアが戯れにつぶやいた案を、面白がったウィズが採用した結果だった。
森で採取した特殊な木を削って作られた仮面は、軽くて通気性もよく意外と快適だそうだ。
ほとんど馬車から姿を現さなかったアメリアの妹であるナターシャが、手慰みに作り上げた作品でもある。
極度の人見知りゆえに言葉を交わすどころか顔を合わすこともなかったが、ナターシャも命を救ってもらった事を感謝していたのだ。
「じゃぁ、このまま我が家に滞在しない?護衛として雇えるし、魔術の師として迎えてもいい。希望はできるだけ叶えるわ」
アメリアが、勢いよく顔をあげた。
その瞳は、期待に潤んでいる。
真っ直ぐに青色の瞳に見つめられて、ウィズは揺れていた。
とある事情から国に帰還しようとしていたが、今となっては別に急ぐ必要も感じていなかった。
それは、明らかに目の前の少女発生の居心地よい空間と他者とのやり取りにほだされたせいであり、それほどに久しぶりの穏やかな時間だった。
|この姿になってから(・・・・・・・・・)、初めてだったといってもいい。
だが、偶然命を救う事になっただけの自分が、大国の公爵家とかかわりを持っていいかと思うと二の足を踏む。
あまりに一行が普通の対応をしてくるため忘れそうになるが、自分の姿が人々に嫌悪されるものだというのも身に染みているのだ。
その事で、このおおらかな少女に不利益が降り注がないとは、とても言い切れなかった。
黙り込むウィズを、アメリアは辛抱強く待った。
目の前のいろいろと規格外の青年が、誠実ゆえに頑ななのはもう知っていた。
そして、言葉の端々から何か秘密を隠し持っている事にも、アメリアは敏感に察知していたのだ。
「非常にありがたいが、まずは俺の話を聞いてから判断してもらってもいいだろうか」
だから、長い沈黙の後、苦い声音でウィズがそういった時、アメリアは一、二もなく頷いた。
内心(ウィズゲット~~~!!)と雄たけびをあげながら。
そんな二人のやり取りを、と、いうかアメリアの内心を読み取った周囲が温(ぬる)い目で見守っていたのだった。
その後旅は順調に続き、シシュー国に用意されていた屋敷に無事辿り着いた一行は、門前で立ち尽くしていた。
元々、ウィズの同行はシシュー国につくまでの予定だった。
それを、口約束だったのをいいことにアメリアがずるずると今まで引き延ばしてきたのだ。
しかし、安全な屋敷についてしまえば、それ以上引き延ばすのは難しかった。
しかし、短い旅の中ですっかりウィズを気に入ってしまったアメリアは、別れの気配にしょんぼりと肩を落としていたのだ。
「いや……。一応、失踪したことになっているだろうからケジメとして戻ろうとしていたけれど、おそらく家に帰ったとて俺の居場所はもうないと思う」
馬から降り立ったままの姿で、ウィズは静かに答える。
その顔には、目の部分だけが開いたシンプルな仮面がつけられていた。
アメリアが戯れにつぶやいた案を、面白がったウィズが採用した結果だった。
森で採取した特殊な木を削って作られた仮面は、軽くて通気性もよく意外と快適だそうだ。
ほとんど馬車から姿を現さなかったアメリアの妹であるナターシャが、手慰みに作り上げた作品でもある。
極度の人見知りゆえに言葉を交わすどころか顔を合わすこともなかったが、ナターシャも命を救ってもらった事を感謝していたのだ。
「じゃぁ、このまま我が家に滞在しない?護衛として雇えるし、魔術の師として迎えてもいい。希望はできるだけ叶えるわ」
アメリアが、勢いよく顔をあげた。
その瞳は、期待に潤んでいる。
真っ直ぐに青色の瞳に見つめられて、ウィズは揺れていた。
とある事情から国に帰還しようとしていたが、今となっては別に急ぐ必要も感じていなかった。
それは、明らかに目の前の少女発生の居心地よい空間と他者とのやり取りにほだされたせいであり、それほどに久しぶりの穏やかな時間だった。
|この姿になってから(・・・・・・・・・)、初めてだったといってもいい。
だが、偶然命を救う事になっただけの自分が、大国の公爵家とかかわりを持っていいかと思うと二の足を踏む。
あまりに一行が普通の対応をしてくるため忘れそうになるが、自分の姿が人々に嫌悪されるものだというのも身に染みているのだ。
その事で、このおおらかな少女に不利益が降り注がないとは、とても言い切れなかった。
黙り込むウィズを、アメリアは辛抱強く待った。
目の前のいろいろと規格外の青年が、誠実ゆえに頑ななのはもう知っていた。
そして、言葉の端々から何か秘密を隠し持っている事にも、アメリアは敏感に察知していたのだ。
「非常にありがたいが、まずは俺の話を聞いてから判断してもらってもいいだろうか」
だから、長い沈黙の後、苦い声音でウィズがそういった時、アメリアは一、二もなく頷いた。
内心(ウィズゲット~~~!!)と雄たけびをあげながら。
そんな二人のやり取りを、と、いうかアメリアの内心を読み取った周囲が温(ぬる)い目で見守っていたのだった。