朝昼夜の三重人格な陛下と、第三王妃の聖女な薬師
第8話 モニカは陛下の朝の妻
朝になってランナは目を覚ました。昨晩の悪夢のような闇から一転、目に飛び込む金色の天井が朝日よりも眩しい。
すぐに顔を横に向けて両側の隣を確認するが、当然ながら誰も一緒に寝ていない。
(ヒルくんは……いるわけないか)
ヒルのベッドは一人で寝るには大きすぎる。そもそもヒル人格は昼しか活動できないのだから、ヒル自身はこのベッドは昼寝にしか使えない気がした。
ベッドから下りてクローゼットを開けると白いドレスを手に取る。昨日はカレンに手伝ってもらったが、今日はもう一人で着れる。
着替えてリビングに行くと、そこにはテーブルの前で両手を揃えて立つカレンの姿があった。今日もメイド服で無感情な黒髪ボブのカレンはミステリアスだ。
「カレンさん、おはよう。ずっとこの部屋にいたの?」
「おはようございます。いいえ。少し前に参りました」
カレンは中立という割には昨日の夜も付き添ってくれたし、今も朝なのにランナの側にいる事が不思議にも思える。
今は昨晩と違って明るい朝なので度胸が出る。真っ直ぐで正直なランナは、その疑問を堂々と口にする。
「カレンさんは中立なのに、朝も夜も私のお世話をしてくれるの?」
「はい。ランナ様のお側にいる事が中立なのでございます」
(……どういうこと?)
なぜかランナだけが特別扱いをされているように感じる。カレンの返答は要領を得ないが、これ以上踏み込むのも怖い気がした。
本来のランナは陽気で明るい性格なので、カレンとは打ち解けたい。ここは話題を変えて、いつもの調子で明るく笑いかけてみる。
「ねぇ、カレンさんって何歳? 私は19歳だけど同じくらいだよね!?」
「20歳でございます」
「あ、1つ年上だったんだ! ポーラ姉さんと同い年ね!」
「…………」
会話が続かなくて、明るく振る舞ったランナの笑顔が固まって引きつる。いくら笑ってもカレンは笑顔を返してはくれない。
ランナはいつの間にか年上のカレンにタメ口になっていたが、一応王妃だし立場的には問題ない。すると今度はカレンが話を変えてきた。
「今朝はアサ様とモニカ様が、ランナ様と朝食をご一緒したいとの事です。アサ様の城へ参りましょう」
「え? 私と?」
意外なお誘いに驚く。昨日の感じでは、アサとモニカは純粋に愛し合う夫婦に見えた。朝の二人の時間に『昼の妻』が入り込んでもいいのかと。
アサは穏やかな紳士なのでヨルほど警戒はしないが、心が読めない怖さがある。それは淑女のモニカに対しても同じ。
(でも、モニカ様もアサ様の指輪の呪いに……)
モニカの左手で煌めいていた白銀の指輪も、おそらく呪いの指輪。ランナは真実を知るために二人と話をしてみたいと思った。
すぐに顔を横に向けて両側の隣を確認するが、当然ながら誰も一緒に寝ていない。
(ヒルくんは……いるわけないか)
ヒルのベッドは一人で寝るには大きすぎる。そもそもヒル人格は昼しか活動できないのだから、ヒル自身はこのベッドは昼寝にしか使えない気がした。
ベッドから下りてクローゼットを開けると白いドレスを手に取る。昨日はカレンに手伝ってもらったが、今日はもう一人で着れる。
着替えてリビングに行くと、そこにはテーブルの前で両手を揃えて立つカレンの姿があった。今日もメイド服で無感情な黒髪ボブのカレンはミステリアスだ。
「カレンさん、おはよう。ずっとこの部屋にいたの?」
「おはようございます。いいえ。少し前に参りました」
カレンは中立という割には昨日の夜も付き添ってくれたし、今も朝なのにランナの側にいる事が不思議にも思える。
今は昨晩と違って明るい朝なので度胸が出る。真っ直ぐで正直なランナは、その疑問を堂々と口にする。
「カレンさんは中立なのに、朝も夜も私のお世話をしてくれるの?」
「はい。ランナ様のお側にいる事が中立なのでございます」
(……どういうこと?)
なぜかランナだけが特別扱いをされているように感じる。カレンの返答は要領を得ないが、これ以上踏み込むのも怖い気がした。
本来のランナは陽気で明るい性格なので、カレンとは打ち解けたい。ここは話題を変えて、いつもの調子で明るく笑いかけてみる。
「ねぇ、カレンさんって何歳? 私は19歳だけど同じくらいだよね!?」
「20歳でございます」
「あ、1つ年上だったんだ! ポーラ姉さんと同い年ね!」
「…………」
会話が続かなくて、明るく振る舞ったランナの笑顔が固まって引きつる。いくら笑ってもカレンは笑顔を返してはくれない。
ランナはいつの間にか年上のカレンにタメ口になっていたが、一応王妃だし立場的には問題ない。すると今度はカレンが話を変えてきた。
「今朝はアサ様とモニカ様が、ランナ様と朝食をご一緒したいとの事です。アサ様の城へ参りましょう」
「え? 私と?」
意外なお誘いに驚く。昨日の感じでは、アサとモニカは純粋に愛し合う夫婦に見えた。朝の二人の時間に『昼の妻』が入り込んでもいいのかと。
アサは穏やかな紳士なのでヨルほど警戒はしないが、心が読めない怖さがある。それは淑女のモニカに対しても同じ。
(でも、モニカ様もアサ様の指輪の呪いに……)
モニカの左手で煌めいていた白銀の指輪も、おそらく呪いの指輪。ランナは真実を知るために二人と話をしてみたいと思った。