朝昼夜の三重人格な陛下と、第三王妃の聖女な薬師
第11話 昼の陛下とランナの結婚式
よく晴れた日の休日、正午過ぎ。ランナは純白のドレスを着て馬車に乗っている。
いつも城では白系のドレスだが、今日はいつもよりもフリルが重なって金色の装飾も派手だし、頭には金のティアラを乗せている。
そんなランナの隣に座るのは、夫である昼のヴァクト陛下、ヒル。金髪と純白のタキシードのコラボが太陽よりも眩しい。
「ん、ランナ、どうした? オレに惚れたか」
「……まぁね」
すでに妃のランナに言うセリフでもない気がするが、ランナは基本的にヒルに話を合わせる。微妙に呪いにかかったふりもしている。
実際、ヒル……というかヴァクト陛下は眉目秀麗すなわちイケメンだ。朝昼夜で髪の色と性格は変わるがイケメンは変わらない。
今日はジョルノ国王ヒル・ヴァクトと第三王妃ランナの結婚式。しかし馬車が向かった先は王城から遠く離れた山の麓であった。
「え? ここで式を挙げるの? 意外というか、すごい……」
馬車から降りたランナの前方に見えるのは石造りの神殿。地から生えた無数の長い柱が1枚の天井を支えている。
ヒルが横に来てランナの片手を握る。手を繋いで真っ直ぐ前を向いた顔はドヤ顔の笑顔だ。
「あぁ、聖女のランナに相応しい神聖な場所だろ」
(悪魔のヒルくんには相応しくない場所なんじゃ?)
なんて思うが、自分を悪魔だと認めていないヒルには言えないツッコミである。
神殿の周囲には参列者たちが乗ってきた馬車が停まっている。それも僅かな数で、一国の王の挙式にしては小規模であった。
国民にお披露目するような派手な式ではなく、わざわざ遠方に来てひっそりと行うのは様々な事情が絡む。
「ヒル様、お久しぶりです。この度はおめでとうございます」
馬車から降りてきた貴婦人がヒルの前までくると淑女らしいお辞儀をした。ランナはその女性の容姿や服装、全てに驚いて目を丸くする。
年齢はヒルと同じくらいだが、ウェーブのかかった長い赤髪、唇には赤いルージュ、そして真っ赤なドレス。目が痛くなるほどに全てが赤い。
ヒルは挨拶すら返さずに自分の顎に指を添えて何かを考えている。
「えっと、お前は……誰だっけか?」
「わたくしは、お隣のレッドリア国の王女、ルアージュでございますわ」
「んー、あ、そうだったか。ありがとな」
素っ気ない返事をするヒルの隣に立っているランナは保護者になった気分でハラハラする。隣国の王女様を覚えていないだけでも失礼だ。
失礼といえば、新婦よりも目立つ赤のドレスを着るルアージュも非常識だが、似た者どうしのヒルとランナは性格的に気にしない。
いつも城では白系のドレスだが、今日はいつもよりもフリルが重なって金色の装飾も派手だし、頭には金のティアラを乗せている。
そんなランナの隣に座るのは、夫である昼のヴァクト陛下、ヒル。金髪と純白のタキシードのコラボが太陽よりも眩しい。
「ん、ランナ、どうした? オレに惚れたか」
「……まぁね」
すでに妃のランナに言うセリフでもない気がするが、ランナは基本的にヒルに話を合わせる。微妙に呪いにかかったふりもしている。
実際、ヒル……というかヴァクト陛下は眉目秀麗すなわちイケメンだ。朝昼夜で髪の色と性格は変わるがイケメンは変わらない。
今日はジョルノ国王ヒル・ヴァクトと第三王妃ランナの結婚式。しかし馬車が向かった先は王城から遠く離れた山の麓であった。
「え? ここで式を挙げるの? 意外というか、すごい……」
馬車から降りたランナの前方に見えるのは石造りの神殿。地から生えた無数の長い柱が1枚の天井を支えている。
ヒルが横に来てランナの片手を握る。手を繋いで真っ直ぐ前を向いた顔はドヤ顔の笑顔だ。
「あぁ、聖女のランナに相応しい神聖な場所だろ」
(悪魔のヒルくんには相応しくない場所なんじゃ?)
なんて思うが、自分を悪魔だと認めていないヒルには言えないツッコミである。
神殿の周囲には参列者たちが乗ってきた馬車が停まっている。それも僅かな数で、一国の王の挙式にしては小規模であった。
国民にお披露目するような派手な式ではなく、わざわざ遠方に来てひっそりと行うのは様々な事情が絡む。
「ヒル様、お久しぶりです。この度はおめでとうございます」
馬車から降りてきた貴婦人がヒルの前までくると淑女らしいお辞儀をした。ランナはその女性の容姿や服装、全てに驚いて目を丸くする。
年齢はヒルと同じくらいだが、ウェーブのかかった長い赤髪、唇には赤いルージュ、そして真っ赤なドレス。目が痛くなるほどに全てが赤い。
ヒルは挨拶すら返さずに自分の顎に指を添えて何かを考えている。
「えっと、お前は……誰だっけか?」
「わたくしは、お隣のレッドリア国の王女、ルアージュでございますわ」
「んー、あ、そうだったか。ありがとな」
素っ気ない返事をするヒルの隣に立っているランナは保護者になった気分でハラハラする。隣国の王女様を覚えていないだけでも失礼だ。
失礼といえば、新婦よりも目立つ赤のドレスを着るルアージュも非常識だが、似た者どうしのヒルとランナは性格的に気にしない。