親愛なる魔王の君へ〜The Ordeal〜
ルカの優しげな目がエレナに向けられる。ルーチェはクラルの方を見た。クラルは微笑みを浮かべている。ドキドキと胸が高鳴っていくのがわかった。

(僕が大魔王になったら、クラルが側近になってくれたら……)

大魔王という大きな存在が自分に務まるのか、ルーチェにはまだわからない。しかし隣にクラルがいるのであれば、何でもできてしまうような根拠のない自信が溢れた。

「……わかった。大魔王になるよ」

ルーチェの答えに対し、ルカとエレナは嬉しそうに笑う。ビオラが「応援してる!」とエールを送ってきた。ルーチェはクラルの方を向いた。

「クラル。僕の側近を君にーーー」

ルーチェが言いかけた時だった。強い魔力を感じる。ルーチェが動くよりも、クラルの方が早かった。

「ルーチェ様!!」

クラルが剣で魔法を切った。それと同時に、「ほう。ただの使用人かと思ったが、なかなかやるな」と声が響く。ルーチェは空を見上げる。赤と黒のローブを着た幼女が空からこちらを見下ろしている。
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