親愛なる魔王の君へ〜The Ordeal〜
そう言って笑うクラルから、ルーチェは目が離せなくなる。あの出来事から数年経ち、クラルも大人の男性となった。身長も、体付きも、出会った頃とは何もかも違う。

「父さんたちはどこにいるの?」

「庭です」

ルーチェがドアを開けようとすると、クラルが先にドアの前に立って開けた。この屋敷では、クラルはまるで熟練の執事のようなことをしている。

「あ、ありがと」

「いいえ。さぁ、行きましょうか」

クラルと共にルーチェは庭へと向かう。手入れが行き届いた庭には、ルカとエレナ、そしてビオラの姿があった。ルカの表情はいつになく真剣で、ルーチェは緊張を覚えてしまう。

「父さん?」

ルーチェが話しかけると、エレナが「ほら、来たわよ」とルカの腕を軽く叩く。ルカは「ああ」と頷いた後、ルーチェを真っ直ぐ見つめた。

「突然だが、大魔王の座をお前に譲ることにした」

「えっ?」

突然のことにルーチェは首を傾げる。ルカは続けた。
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