辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 そう言ったのは、リュディアだった。彼女は書類から顔を上げて、くっと口の端を持ち上げていた。

「え、でも視察が」
「大事なところは話を聞いた。この先は私とラウガルトで充分だ。たまには子供らしくしてこい」
「子供らしく……」
「そなたは時々、自分が子供だということを忘れるだろう」

 それは否定できない。肉体に引っ張られることも多いけれど、頭の中身は成人だ。

「そうだな。トーリ殿はもう少し子供らしくなってもいい」

 ラウガルトが、口の端を上げていた。

「……行ってきます」
「ああ、楽しんでくるといい」

 そう言うと、リュディアは頭を撫でてくれた。
 普通とは違うかもしれない。
 女帝と、訳ありの小さな領主。年の離れた二人。間には魔物がいて精霊がいて、おせっかいな騎士がいる。
 たっぷり遊んできたら、リュディアは『おかえり』と迎えてくれるだろう。
 そんな場所がトーリにはある。
 それだけで充分だ。

< 266 / 266 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:27

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop