朝日有希の本当の名前を、僕はまだ知らない
ついに手術の日がやってきた。

有希はその日会いに来なかった。

代わりに僕は有希から貰ったお守りを開けた。

そこにはこう書いてあった。


『湊月へ


日々、透明人間のようになっていく自分が辛かった。
だから見舞いのフリをした。
君だけが本当の自分を見つけてくれて、病気じゃない、普通の人間らしく接してくれた。
嘘をついてごめんなさい。

貴方ならきっと大丈夫。

これから先も苦しみを越えて生きていける


君は生きて』


嘘をついていた?
何を?

それを知りたい、知らなきゃいけない。

僕は麻酔で落ちていく時に、有希の本心を知った。

はじめから、このために、僕に近づいたんだ。

生きて、確かめさせるためにーー


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