銀河の雫
自己嫌悪に陥ってると、スマホのバイブレーションがブルブルと音を立てた。
「……はい」
『日向か、俺だ。今、大丈夫か』
「あ、本部長、お疲れ様です。どうしたんですか、休みの日のこんな時間に」
『突然なんだが、お前に決まっていたニューヨークの立ち上げ。急に動き出したぞ』
「はい……あっ、ちょっと待ってください」
俺は上着を羽織ると、ベランダに出た。
「どういうことですか? 早くとも来春だと聞いていましたが」
『米国のFRBとDFSのライセンスが、異例のファストトラックで下りたんだ』
「それで……いつから?」
『週明け、東京本社に来い』
「そんな急に……」
『なんだ、何かあるのか? 恋人でもできたか』
「……いえ……」
振り返るとガラス越しに、眠ったままの彼女を見つめた。
『これは大きなチャンスだ。このプロジェクトを成功させれば、幹部の道が開かれる。分かるだろ?』
「はい……」
『副所長には俺から伝えておくから』
「……分かりました……それと……」
『どうした?』
「明日、お会いしたら、お聞きしたいことがあります。橘統括本部長」