銀河の雫
つまり、薫さんと所長は、両思いってこと?
私、二股かけられてるの?
汗ばんだ拳をぎゅっと握った。
……けど、私は好きだなんて一言も言われてない。
胸の奥が、ギリギリと音を立てた。
私とは遊びで、本命が薫さんだったってこと?
目の前が真っ暗になり、床がたわんだように感じた。
ふらついたまま、執務室に戻った。
「あれ、月浦さん、顔色悪そうだけど大丈夫?」
隣の席から、斎藤さんが心配して声をかけてくれた。
「……すみません、体調が悪いので早退してもいいですか……明日、稟議書、上げますので……」
「……うん、課長には伝えておくから、お大事に」
片付けを済ませ、立ち上がると、ふらふらと歩き出した。
「しずくさん、大丈夫?」
心配した薫さんが駆け寄って来た。
……もう戻ってたのか。
「ごめん、今は放っといて。お願い」
私は薫さんを直視できないまま、執務室を後にした。
エレベーターのボタンを押す。
「月浦さん、待って」
振り返ると、所長が走ってくるのが見えた。
「……お疲れ様です」
目を合わせず、会釈する。
「話がしたい」
「すみません、体調が悪くて……」
「けど俺、今日……」
「話なら」
「えっ」
「話なら、私とじゃなくて、他にしたい人がいるんじゃないですか?」
「それ、どう……いう意味?」
「ご活躍をお祈りしています……もう会うこともないかも知れませんけど」
エレベーターが到着し、扉が開く。
中に入ると、クローズボタンを押した。
立ち尽くしたままの所長を隠すように、ドアがスローモーションで閉じていく……
閉まるドアを押しのけてまで、追いかけては来ないんだな……
ロッカーを開けると、急いでバッグを取り出す。
そのとき、ロッカールームの扉が荒々しく開く音がした。
私、二股かけられてるの?
汗ばんだ拳をぎゅっと握った。
……けど、私は好きだなんて一言も言われてない。
胸の奥が、ギリギリと音を立てた。
私とは遊びで、本命が薫さんだったってこと?
目の前が真っ暗になり、床がたわんだように感じた。
ふらついたまま、執務室に戻った。
「あれ、月浦さん、顔色悪そうだけど大丈夫?」
隣の席から、斎藤さんが心配して声をかけてくれた。
「……すみません、体調が悪いので早退してもいいですか……明日、稟議書、上げますので……」
「……うん、課長には伝えておくから、お大事に」
片付けを済ませ、立ち上がると、ふらふらと歩き出した。
「しずくさん、大丈夫?」
心配した薫さんが駆け寄って来た。
……もう戻ってたのか。
「ごめん、今は放っといて。お願い」
私は薫さんを直視できないまま、執務室を後にした。
エレベーターのボタンを押す。
「月浦さん、待って」
振り返ると、所長が走ってくるのが見えた。
「……お疲れ様です」
目を合わせず、会釈する。
「話がしたい」
「すみません、体調が悪くて……」
「けど俺、今日……」
「話なら」
「えっ」
「話なら、私とじゃなくて、他にしたい人がいるんじゃないですか?」
「それ、どう……いう意味?」
「ご活躍をお祈りしています……もう会うこともないかも知れませんけど」
エレベーターが到着し、扉が開く。
中に入ると、クローズボタンを押した。
立ち尽くしたままの所長を隠すように、ドアがスローモーションで閉じていく……
閉まるドアを押しのけてまで、追いかけては来ないんだな……
ロッカーを開けると、急いでバッグを取り出す。
そのとき、ロッカールームの扉が荒々しく開く音がした。