銀河の雫
第四章 仙后
仙台の街は師走の賑わいで、今年も暮れが迫っていた。
大也と私は、一ノ関行きの高速バスに乗り込んだ。
車窓の景色は、賑やかな街から、徐々に雪で覆われた裸の木々に変わって行く。
「久しぶりだね、岩手のおじちゃん家行くの」
スマホでゲームをしながら、大也がちらりと横の私を見て、小さくうなずいた。
「小さい頃はよく遊びに行ったよね……」
年末年始の休暇に岩手の実家に帰省することにしたのだった。
父は私が中学生の頃、母は二十代半ばの頃、この世を去った。
そのこともあって、あまり実家に帰省していなかった。
まぁ、そもそも帰りたいとも思っていなかったのだけれど。
けど、今回の帰省は、私にとって意味があることだった。
「おかえり、しずくちゃん。大也くん、よぐ来たね」
兄と兄嫁が玄関で迎えてくれた。
「さぁ、入って温まってけさい」
こたつに入ってお茶を飲んでいるとき、私はそれとなく切り出した。
「私、二十代の頃、お見合いしたじゃない?」
「あぁ、そんなごともあったね」
兄嫁がこたつに入りながら笑顔で答える。
「あのどきって、うぢのほうがら返事したんだっけ?」
「……んだなぁ、あのどき、しずくちゃん、お母さんと言い合いになって……」
私は当時のことを思い出していた。