銀河の雫
「うん……まぁ、それはいいとして、しずくさんはシングルマザーなんだっけ?」

「うん……まぁね」

「なんで別れちゃったの?」

「……正確には未婚の母なんだ。結婚を前提に同棲してたんだけど、内縁関係のまま別れちゃった」

「そっか」

「相手が嘘つくのが耐えられなかった」

「嘘か……嘘つかれるのはツラいね」

彼女は、身動き一つせず、前を向いたままかすれた声でつぶやいた。

「うん……例えばね、一緒に暮らす前は、借金はないって言ってたのに、実は連帯保証人になってて弁済してるとかさ」

「お金にだらしなかったんだ……」

「うん……親が結婚に反対してるのも内緒にされてたし……」







むんとした臭いと、古びたマンションの通路。

外で蝉が鳴いている夏の午後の蒸し暑い情景が目の前に浮かんだ。


それと共に当時の悲惨な毎日が、頭の中に浮かび上がった。
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