銀河の雫
あれは陽が小学校四年生の冬の頃だった。
私は国分町のクラブを辞めるからもう会えないと、冷泉に話そうと思っていた。
そんな折、青森の母から具合を悪くしていると電話があった。
ガンで余命半年と医師から告げられたと。
私は肝臓を悪くし、母は末期のガン。
水商売でこれ以上無理をしたら、陽を独りぼっちにしてしまうかも知れない。
これからの生活、何より陽の行く末を案じて途方に暮れていたの。
元気のない私を心配して、冷泉が話して欲しいと、言ってきた。
とうとう、私は本当のことを打ち明けてしまったのだった。
青森の母に預けている陽の存在も、私の肝臓がもう無理ができない状況であることも。
そしたら彼は、こうなったのは自分の責任だから、母の治療費も含めてなんとかするって、そう言ってくれた。
そのときはまさか、本妻と別れて私を家に入れるつもりだなんて夢にも思わなかった。
誰かを不幸にして、その上に成り立つ幸せなんてありえないと思ったけど……
結局は冷泉の言葉に従ってしまった。
彼を愛していたし、幸せになりたいという欲もあった。
彼は行き場のない私と陽を、守ってくれた。
妻は両親が健在で実家がしっかりしているから……と。
それに、ずっと私のことを忘れられなかったと、言ってくれたの。
もう自分に嘘はつきたくないって。