銀河の雫
「陽はね、いつもあなたを目で追ってたのよ」
「えっ……嘘……」
奥様はほほえんで、首を横に振る。
「運動会のかけっこ、商店街の盆踊り大会、子ども神輿、商店街に買い物に行ったときに、お店の奥に見えたあなたも……」
「そんな……」
「陽はきっと、あなたの中に自分を見ていたのかもね」
「私の中に陽さん自身を?」
「えぇ、孤独だったのよ、陽はきっと。それで同じように……寂しそうなあなたに勝手に共感して、惹かれていったのね」
「そんなことが……」
「だからね、誰にも言ってないことだけど……」
「はい」
「お見合いの話は、私から仲人さんに、あなたを紹介してくれるようにお願いしたのよ」
「……えっ」
奥様はゆっくりと目を閉じてうなずく。
「じゃあ……偶然、私だったんじゃないんですか?」
「そう。あの子、幼い頃に色々あって散々傷ついてきたから、家庭を持つ気はないように見えた。……けど、あなたになら、きっと心を開いてくれると思ったの」
「それで……私に縁談を……」
涙が雫になって落ちた。